中日又吉克樹3年4億提示も、独立リーグ選手に「夢を与える」FA権行使

FA権行使について話す又吉(撮影・森本幸一)

中日の又吉克樹投手(31)が29日、ナゴヤ球場で今季取得した国内FAの権利行使する申請書類を提出したことを明かした。中日とは2度の交渉を行い、3年総額4億円の提示を受けているものとみられるが、独立リーグ出身者初のFA宣言に意義を見いだした。中日は宣言残留も認めており、他球団からの交渉申し入れを待って、移籍か残留の結論を出す。

四国IL・香川からドラフト2位で入団して8年。通算400試合を投げ、今季は中継ぎ、抑えで66試合に登板。3勝2敗8セーブ、33ホールド、防御率1・28の好成績を残した右腕が「独立の星」になるべくFA宣言した。

又吉 独立リーグ出身で初のFA宣言できる選手になれたことで、ずっと宣言したいという気持ちがあった。(入団した)8年前には想像できなかったが、(権利が)取れるようになった段階から宣言することは考えていました。

ナゴヤ球場での自主トレ前に取材対応した又吉はすっきりした表情で「独立」への強い思い入れを重ねた。

又吉 (独立リーグの)選手たちの明確な目標になってくれたらうれしいですし、僕がFA宣言するということは夢を与えるという意味がある。(今後)いろいろな条件提示を聞いた上で判断したいと思います。

今後の焦点はその条件面。関係者の話を総合すると中日は又吉に3年総額4億円の条件を提示済み。又吉は今後、他球団からの条件提示を待つことになる。

又吉 他の球団の方から話をいただいて野球選手としてのスキルアップという部分でも魅力的なことがあれば、そちらの方にお世話になると思いますし、9日以降にいろいろ話を聞いた後に、ドラゴンズにはこちらから話を聞きたいな、というのはあります。

中日との最終交渉を希望した又吉に対して中日球団首脳は「譲れないところは難しい」とマネーゲームは否定した上で「話し合いには応じます」と交渉の余地があることを示唆した。独立出身初のFA宣言という道を開いた鉄腕がどんな結論を下すか注目だ。