【復刻】新庄剛志トライアウトで“V打”15年ぶり現役復帰へ最年長が躍動

新庄剛志トライアウトでV打(2020年12月8日付日刊スポーツ東京1面)

12球団合同トライアウトが8日に行われた。昨年のトライアウトに現役復帰を目指して参加していた日本ハムの新庄剛志監督(49)が視察予定。NPB球団からのオファーがなく選手としての現役復帰は断念したが、抜群の注目度を誇った当時のビッグボスのアピールを振り返ります。(所属、年齢などは当時)

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阪神、日本ハム、米大リーグで活躍した新庄剛志(48)が7日、神宮球場で行われた12球団合同トライアウトで“決勝適時打”を放った。試合形式のシート打撃で参加者唯一のタイムリーを放ちアピール。NPB40人と社会人、独立リーグなど計32チーム51人の編成担当が集結。56選手が躍動した。新型コロナの影響で無観客開催となったが、15年ぶりに現役復帰を目指す最年長48歳は、抜群の注目度を誇った。(敬称略)

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新庄は実に楽しそうだった。みんな生き残りをかけて顔をひきつらせているのに、1人だけ違ったオーラを漂わせた。

勝負強さは相変わらず。3打席無安打で迎えたシート打撃の最終打席。元ヤクルトの左腕ジュリアスから左前適時打。「打ち方なんて全部消えた。さあ、俺を見てくれという感じの打席だった」。得点圏に走者を置いた場面での安打は唯一。引退から14年たつが、スター健在を見せつけた。

「無観客でめちゃくちゃテンションが下がったけど、ランナーがいてくれてもうアドレナリンが出てボールがよ~く見えた。止まってるんじゃないかというくらいでした」。一塁を回った瞬間にジャンプ。ガッツポーズの後、体を揺らせて喜んだ。「ボールが止まって見えた」と川上哲治氏ばりの名言も吐いた。

昨年11月。インドネシア・バリ島で現役復帰を宣言したが、疑う声が圧倒的だった。「ただのアホやろといわれるの慣れてます」と1年かけて体を鍛え直し、今秋の帰国後も都内近郊の複数の球場を転々。本気で15年ぶりのNPBを目指し、備えてきた。

新庄劇場だった。日本でゴールデングラブ賞を受賞した10回はすべて外野部門。だが、シートノックを受けたのは三塁。強肩を披露したかと思えば、一塁や二塁、中堅、右翼も守ってユーティリティーをアピールした。中堅では阪神の後輩にあたる伊藤隼、田上にアドバイスを送り、元オリックスの白崎にはバットを譲るなど交流した。

また、シート打撃開始前の練習では元日本ハムの捕手、黒羽根の二塁送球が中堅にそれた。処理した新庄はなんと、振り向きざま無観客のスタンドにボールを投げ込んだ。「ファンがいるイメージです」。無観客でも、見えないファンを喜ばせた。

「楽しいね野球は。自分に勝てた気がする」。自身の生きざまを示して満足そう。「6日間でオファーがなかったら、野球は終わりです。きっぱりです。1年間お疲れさまでした。48歳新庄剛志。ですね」とすがすがしい笑顔。新庄劇場に続きはあるのか。吉報を信じて待つ。

○…カブスのダルビッシュがツイッターで合同トライアウトに出場した元チームメート新庄に言及した。第1打席、143キロ直球を捉えるも二ゴロに終わった場面を引用リツイート。「10年以上野球やってないのに143km/hを芯に当ててるのがすごすぎる」と笑顔の顔文字を添えて投稿した。ツイッター上では「新庄」「新庄タイムリー」などのワードがトレンド入りした。

◆12球団合同トライアウトを受けた主な高齢選手 11年の阪神下柳剛は43歳で受験し、楽天入りした。13年のBC・石川の木田優夫は45歳で挑戦も、獲得球団はなかった。野手では10年に41歳のロッテ堀幸一内野手、12年には42歳の前中日の佐伯貴弘内野手が受験しているが、現役続行はならなかった。

(2020年12月8日付日刊スポーツ紙面から。記録などは当時)