新庄剛志ビッグボスに「10の質問」3・25開幕戦でのサプライズ予告

「10の質問」に答える日本ハム新庄剛志ビッグボス

2022年はBIGBOSS旋風が吹き荒れる1年になる。日本ハム新庄剛志監督(49)が、新春インタビューで3月25日ソフトバンクとの開幕戦でのサプライズを予告した。新年に際した「10の質問」に次々に回答。既成概念をぶち壊す起用法&采配を思い描き、最もエキサイティングだと語る1点差勝利で球界を盛り上げることを約束した。【取材・構成=中島宙恵】

◆質問1 開幕戦&本拠地開幕戦でのサプライズは期待していい

マル! サプライズって言っても(パフォーマンスではなく)采配の面でのサプライズを期待してもらえたら、うれしいです。これを言うことによって、「開幕戦で何をしてくれるんだ?」って、北海道の皆は試合を見てくれますよ。そこで期待に応えられるようなゲームをするというのが、サプライズ。まあまあ、ちょっと、小物のサプライズは僕、しますけどね!(笑い)

-小物…

小物(笑い)あのね、大物は試合なんだよ。僕がするのは、ちょっとした、見ていて「あっ、かわいい」っていうの。それぐらいのサプライズは…(笑い)まあ、間違いなく記事にはなりますけど。

-采配とパフォーマンス、両方注目すればいい

注目まではいかないですけど、あの…ほっこりするくらいかな(笑い)向こうの監督は「なめとんのか、コラッ!」ってなるかもしれないけど(笑い)

◆質問2 かつてない起用法や作戦プランが頭にある

「○」

作戦面は言えないですけど、もちろん(ある)。シーズンが始まってから、第1~3戦目を見て、皆が「マジか!」というところ。ただ、勝ち負けが、僕の脳ミソを変えていくので。勝ったらこう、負けた場合はこうしようっていうのが、頭の中にはある。その辺の楽しさは、見ている人たちも分かると思う。

開幕戦の相手はソフトバンク。孫オーナーが「ある球団の新監督は優勝を目指さないと言ったけど、うちは優勝を狙う」と言ったそうです。オレがソフトバンクの監督なら、優勝目指すって言いますよ! 5連覇、8連覇して、日本一になりますって言いますよ! 当たり前でしょ!(笑い)僕だってね、戦力っていうものがあるから。今の状態のね。でも、それに歯向かうオレたちって面白い。「さあ~、どうやって倒そうか」という面白さは、僕も含めて皆、持っている。あとは、オレのメディアを使ったパフォーマンスに対して、選手がどれだけ「追い付いていこう! この話題に、オレたち乗っかろうよ。勝ったら面白くね?」と思ってくれるか。その時は、開幕3連戦で面白いゲームができるんじゃないかな?

◆質問3 優勝は目指さないと言っていたが、ずばり優勝できる

「×」

それはね、僕本人が監督1年目で、分からないから。優勝できる…マルとも言えないし、バツとも。だから、もう、バツにしました。分からないから。分かるんだったら、マル。ちょっと、どうなるのか、自分でも楽しみになっているからバツ。

◆質問4 パフォーマンスで一番伝えたいのはファンへの感謝

「×」

僕が楽しくて「こんなことをやりたいな」と思ってやっていることを皆が喜んでくれているから、「感謝してやっています」では、ない。(監督就任後、初めてファンの前に現れた)ファンフェスティバルの演出は、選手に「うわ~かっけえな~」と思わせることがポイントでした。カウンタックを見て、選手たちが「オレもこうなりたい。なれるんだ」と思ってくれたら。同じ人間。なれるのは、間違いないんだから。

僕、実は(幼少期に)野球に興味なくて。ただ、カウンタックに乗るためには、野球選手になるのが一番お金もうけができるとお父さんから聞いて、野球をやった。もともとサッカーが好きでやっていたら、野球のコーチの人に「お前、運動神経すごいから、野球やってみんしゃい」って言われて。でも、やってみたら、1番になれなかった。全てのスポーツが1番だったのに、野球だけが3番だった。「これ、面白くね?」と。で、はまってしまった。

最終的な目標は、練りに練ったパフォーマンスをして試合に勝つこと。それが一番のパフォーマンス。前振りは、ただのかぶり物。(かぶり物をした試合は)全部勝った。もう、バッチリ! でも、それは、相手投手が4~6番手の時にしか、しないから。今なら山本由伸君の時には、パフォーマンスはしない! 試合に負けたら、ただの遊んでいる人になっちゃうでしょ?

僕がパフォーマンスをやる時は、世の中のことも調べた上で、大きな話題があれば、日にちを変えます。それ、大事なんですよ。今回の監督就任発表も、そう。調べておかないと、話題は日本ハムに持ってこられない。その辺の頭を使う疲労は、あります。逆に面白いっちゃ、面白い。成功した時は、めちゃくちゃ、うれしい。今は話題にされてますけど、そのうちたたかれ出すと思うんですよ。必ず来るから、そういう時は。

◆質問5 うれし涙を流したことがある

「○」

うん、日本一の時(06年)。うれし涙ですよね。僕は4月の時点で、もう引退しますって言っているから、その時点で、もう僕は完全燃焼しているんですよ。で、あれを言って、チームは日本一。そりゃあ、うれし涙でしょ。

◆質問6 験担ぎはする方だ

「×」

昔から、しないんですよ。しなくなったポイントは、野村(克也)さん。試合で勝ったら赤いパンツを着替えない。「汚ね!」と思って(笑い)いやいや、負ける時は負けるし、勝つ時は勝つだろ(笑い)ルーティンがないんですよ、僕。それをやっていて、ダメになるほうが嫌だし。お参りにも行かないし。

-初詣も?

行ったことないです。初詣をして、自分が描いていたものが成功しなかった時、手を合わせに行ったところが悪いんじゃないかって、違う人のせいにしてしまったら嫌なので。「お願いします」って言うけど、何かを成し遂げた時に「あそこにお願いしたからこうなったんだ」なんて皆、思わないですよね? でも、正月が来た時に「あっ! 去年、あそこに手を合わせに行っていいことがあったから、今年もそこに行こう!」っていうのは、ありかもしれない。悪い年だったら、また、そこに行くんですか? 変えるんですか?

-私は毎年、同じところです

同じところなんだ。意味なくないですか? 気休めですよね? 今年も1年、元気な体でいられますように! でしょ? で、お金(さい銭)は、いくらくらい入れるんですか?

-5円です。「ご縁」がありますようにと…

なかったんですよね?

-まぁ…(適齢期を過ぎ、しょんぼりする独身女性記者)。よくわかりましたね…

1万円を払ったから、いいってことでも、ないんですよね?

-そうですね

気持ちの問題でしょ? じゃあ、今年行ってみよう! 行ってみて、チームがいい方向に…優勝とかじゃなくても。オレが描いているいい方向に世の中的にもなったら、手を合わすことって大事なんだなって思う。オレ、自分が神様くらいに思ってるから(笑い)そういう気持ちがあっても、いいかなってね(笑い)

◆質問7 理想の開幕スタメンは頭にある

「○」

あります、あります。もちろん! 言えないですけど。選手のために。あるある。

-個人名も?

あるある。ありますよ。1軍のメンバーの練習を見ていなくても、ありますよ。選手たちは「オレだ」って思ってくれたらいいし。全員が思っていい。あのね、1軍の選手は、テレビでは見ているから。2軍の選手は見たことがなかった。(昨年11月に視察した秋季キャンプで、主に2軍の選手を)見た上で、今がある。だから(理想の開幕スタメンには)、2軍にいた選手も入ってくるし、今まで1軍で出ていたレギュラーの選手がベンチっていうイメージもある。

◆質問8 怒って抗議に出る姿が想像できないが、監督としてはもちろんいく

◆質問9 ハート形のリクエストポーズは本当にやる

「○」

-選手時代に抗議はしたことないんですよね?

もちろん! 選手の時にはないです。感情が表に出て、ブワーってなったことはあるんですけどね。

-でも、監督になったら抗議はいとわない

(大きくうなずき)抗議をした後にも、ちょっと、僕なりのサプライズが多少は浮かんでいる(ニヤリ)

-もう考えている

もちろん、もちろん。注目しておいて。

-秋季キャンプで見せたハート形のリクエストポーズは、シーズン中にも見られそう

まあね、いろいろですよ。いろいろ。(指でハートの形を作り)とか、(指で○を作り)とか、いろいろ! そういうのはオレ、もう(アイデアが)降りてくるんで。何かやりますよ。あれ、監督しかダメなの? リクエスト。

-はい。

あ…(落ち込む)

◆質問10 1-0勝利が理想と話していたが、ルーズベルトゲーム(8-7)はつまらない

「×」

僕は4-3のゲームが好きなんですよ。ですけど、初回からバンバン、ホームランが出た場合は、8-7でも面白いゲームになる。4-3ばっかりしていても、面白くないでしょ? たまには、8-7やら12-11とか。やっぱりね、1点差が好きですね、僕。守っていても好きだったし。何でかって言ったら、1点差ゲームで、さあ! 一打同点の場面で、オレがバックホームで(走者を)刺してアウト~! で、ゲームセットとか。同点を防いだ感動は僕、自分自身にも感動したし、見ている人たちもウォー! って盛り上がって。あれ刺してなかったら、ヤバくない? っていう。だから、1点差が好き。

-1-0でもいい

1-0はね、92年の最初のスタメンの試合、初球ホームランで1-0で勝って…(実際は2-1)。メッツのデビューの時(01年)も僅差(延長10回の末、6-4の2点差で勝利)なんですよ。で、ホームスチールを決めた時(04年球宴)も1点差。なんか分からないけど、そこら辺から1点差が好き。1点差ゲームっていうのは、皆がエキサイティングするから。