絵馬に込めた巨人ナインそれぞれの願い 岡本節がにじんだ「免疫力」に原監督も笑顔

青島神社の絵馬に書かれた巨人岡本和の今季目標(撮影・たえ見朱実)

“エマ1グランプリ”に潜入だ。巨人は宮崎でのキャンプ初日に青島神社を参拝し、絵馬を奉納する。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、コーチや選手らは参拝を自粛した。だが願いが込められた絵馬は例年通りに奉納され、展示された。V奪還を目指す今季は、どんな思いが記されているのか。1軍が沖縄・那覇へと出発した13日に青島神社を訪れた。興味深い絵馬をいくつか紹介したい。【取材・構成=小早川宗一郎】

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傘がさせないほどの強風と雨にさらされながら、青島神社へ続く参道を抜け、巨人ナインの絵馬にたどり着いた。両目を上下左右にフル活用して、合計88点の絵馬に目を通す。時代に合わせたユーモアあふれる願いに目がとまった。主砲・岡本和真内野手(25)が「日本一」と並んで書いた「免疫力」。新型コロナウイルスがまん延する今、1年間戦い抜くことのできる健康体を願った。“岡本節”がにじみ出ており、これには原辰徳監督(63)も「今の時代にぴったりだな」と笑った。

松原聖弥外野手(27)は名ぜりふをこっそり忍ばせた。「勝」「日本一」の下に小さく書いた「plus ultra(プルスウルトラ)」。松原お気に入りの人気漫画「僕のヒーローアカデミア」に出てくる言葉で、ラテン語で「もっと先へ、もっと向こうへ、さらなる前進」を意味する。にわか「ヒロアカ」ファンとして、少し心が躍った。

そんな中でも、最も驚かされたのが、ドラフト3位の赤星優志投手(22=日大)の達筆な字だった。勢いを感じさせる豪快な字で自らの名前と「優勝」の2文字。ガッツポーズのやり方がわからないほどのポーカーフェースな新人でも「字は体を表す」ということわざ通り、豪快で力強い一面があるのかもしれない。

多くの「願い」に触発され、記者自身も人生で初めて絵馬を奉納してみることにした。木目の段差に翻弄(ほんろう)され、赤星のようなカッコいい字は書けなかったが、悩んだ末に「最高の優勝原稿を書けますように」と書いた。最も多い32人が書いた共通の「日本一」へ。球春の願いを現実のものにする。