レジェンドと対戦した道産子女子高生が、強豪大で力をつけ日本代表を目指す。札幌新陽女子野球部前主将の一谷優奈内野手(3年)が今春、全国大学女子硬式選手権優勝3度を誇る平成国際大に進学する。昨年12月に高校女子硬式野球選抜チームの一員として、イチロー氏(48=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)と対戦。貴重な経験を糧に、新たな舞台に飛び出していく。
代えがたい夢の瞬間を一生の宝にする。昨年12月、一谷は「女子高校野球選抜強化プログラム2021」に参加した。18日には、そのメンバーを中心とした高校女子硬式野球選抜と、イチロー氏が友人らと結成した草野球チーム「KOBE CHIBEN」が、ほっともっと神戸でエキシビションマッチを行った。一谷は6番三塁で先発出場。エースとして登板したイチロー氏と2打席対戦し、結果は投ゴロ、一ゴロも「テレビやゲームの中で見た選手と対戦できるなんて夢のようでした」と振り返った。
球界きってのスターとのマッチアップ。チームは17三振を喫し0-1敗戦も、先発メンバーでイチロー氏相手に三振をしなかったのは一谷と、2死球を食らった4番神野百花捕手(福知山成美3年)の2人だけだった。道産子女子代表として爪痕を残し「当てるので精いっぱい。打席に立たれている姿もオーラを感じた。とにかく楽しかった」と感動の時を思い起こした。
試合後は質問コーナーが設けられた。「緊張したらどうしたらいいのかという問いに『一流選手でも緊張はなくせるものじゃない。どう立ち向かうかが大事』と話されていた。緊張をネガティブに考えていたが、そこを楽しめるようになればイチローさんみたいになれると思えた」。進学する平成国際大は日本女子硬式野球界屈指の強豪だ。生で体感した“イチ流”のプレーと言葉を糧にレギュラーを勝ち取り「将来は日本代表として活躍できるようになりたい」と思い描いた。
日本ハムドラフト7位松浦、巨人育成10位の大津綾也捕手(北海)は、日本ハムファイターズジュニア時代のチームメート。1月には、当時のメンバーたちとの決起会に参加した。「お互いに頑張ろうと誓い合った。舞台は異なりますが、私も負けられません」。プロの荒波に飛び込む同期にも刺激を受けながら、女子球界のレジェンドを目指す。【永野高輔】
◆平成国際大女子硬式野球部 07年創部。練習施設、グラウンドの所在地は大学キャンパスと同じ埼玉・加須市。14年に女子硬式野球の日本一を決める全日本女子硬式選手権で初優勝。準優勝1回(10年)。全国大学女子硬式選手権優勝3回(11、13、16年)、準優勝4回(12、14、19、21年)の強豪大。前主将の金光梨々那捕手(22=開志学園)が、今春発足する巨人の女子硬式野球チームに加入する。監督は花咲徳栄監督などを務めた浜本光治氏(65)。
◆一谷優奈(いちのたに・ゆうな)2003年(平15)5月8日、札幌市生まれ。札幌栄町小1年時に栄北ナインスターズで野球を始める。小6で日本ハムファイターズジュニア選出。札幌栄町中軟式野球部に所属しながら、女子軟式野球チームの札幌シェールズでプレー。札幌新陽では1年からベンチ入り。19年夏の全国高校女子硬式野球選手権で道勢初の選手権4強を経験。好きな選手は巨人坂本。家族は両親と兄。右投げ右打ち。160センチ、55キロ。