忘れられない13年楽天の初日本一、歓喜を再び東北に!思い届けたい

楽天対巨人 日本一に輝き、楽天田中将大(中央右)は捕手嶋基宏(同左)らと抱き合って喜ぶ(2013年11月3日撮影)

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忘れられない瞬間がある。13年11月3日、楽天と巨人の日本シリーズ第7戦。当時大学生だった私は、その様子をテレビで見ていた。画面に時折映り出されたのは、南三陸さんさん商店街でのパブリックビューイングの様子。楽天の帽子とジャケット姿で、応援バットを両手に音頭をとるおじさんや、それに合わせて精いっぱいの声援を送るファンの人たちに目を奪われた。家を流されたり、家族や友人を亡くした人も多い中、初の日本一に涙を流して喜ぶ姿。たくさんの人を魅了し、こんなにも前向きな気持ちにさせてくれるのか。野球の底力を感じた。

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11年、高校生だったとき東日本大震災が発生した。通っていた宮城・大崎市内の高校から仙台市内の実家に帰ることができたのは当日の深夜。停電で辺りは暗く、煌々(こうこう)と輝く星。石油コンビナート火災で赤く染まっていた沿岸部の空。海の近くに住む親戚の安否を案じ、住んだことのある気仙沼の町が燃えているのを携帯電話のワンセグで見て、言葉を失った。

いつかは地元宮城のためになにかができる人になりたい。当時はそう考えたが、12年から都内の大学に進学。被災地から離れた。そんな中で見た楽天の日本一と被災地のおじさんたちの涙。野球というスポーツの魅力や、それに挑むアスリートたちを伝えたいと思うようになるきっかけとなった。あれから9年。縁あって今年から楽天担当となった。

1月から取材をして感じるのは、チームが持つ東北に対する“熱さ”。歓喜を再び東北に届けたいという決意のもと、勝利に向かって突き進むチームを取材する毎日だ。その思いが1人でも多くのファンに届けと心から願う。担当記者として初めて迎えた3・11。初心を思い出し、より気持ちを強くした1日となった。【湯本勝大】