<オープン戦:広島1-4日本ハム>◇12日◇マツダスタジアム
日本ハム近藤健介外野手(28)が「横高イズム」で“監督初白星”を挙げた。
12日、新庄監督の指名を受けて、上沢に続く代理監督第2弾としてオープン戦の広島戦(マツダスタジアム)を指揮。実際にオーダーを決め、サインを出すなど采配を振った。母校横浜高(神奈川)の恩師で高校球界の名将、渡辺元智氏の教えを継承する小技で反撃ののろしを上げると、高校の後輩である万波、浅間も躍動。“リトルボス”がチームを勝利へと導いた。
◇ ◇ ◇
“近藤監督”は目尻を下げて、右手で握った勝利球を小さく掲げた。「めちゃめちゃ難しいですね。もういっぱい、いっぱいだったので。大変だなとすごく感じました」。初めての監督業を任されたのは、3日前だった。新庄BIGBOSSからオーダーを組み、実際に采配を振るよう指令を受けた。「頭を使って周りを見るというのは、すごい勉強になった」。刺激的な体験に野球観は広がった。
オーダーが完成したのは、前夜11時ごろ。「めちゃめちゃ悩んだっす!」。鍵となる1番打者には、オープン戦絶好調の万波を置いた。「最初から点を取りたい。調子が良いので、いっぱい打席を回したいという狙いもありました」。投手戦を予想し、守備も盤石の布陣を敷いた。新庄監督から「全部、自分でサインを出してやってくれ」と全面的に指揮を託され、BIGBOSSがコーチ陣に配布した黒マスクを着用してベンチに腰掛けた。
「横高イズム」が流れるタクトを、要所で振った。1点を追う5回1死一、三塁。清水が甘く入った初球を見逃し、“監督”の血が騒いだ。「スクイズを出して欲しいのかと思った」。清水はバントを得意としていることもあり、サインを出すと、華麗に投前にスクイズを決めてみせた。横浜高校の元監督、名将・渡辺氏の教えである小技を実践し、近藤は「イズムは残っていると思います」と振り返った。
万波だけでなく浅間、高浜と、同高のOBがスタメン入りしたが「そういう情は、なくして決めたつもりです」という。あくまでも「実績もある。単純に、本当にいいバッターなので(試合に)出さないと」という判断だ。「代打オレ」のコールはなかったが、試合前から消極的だった。「全く動かず、準備せず試合に出るのは怖かった。点を取ってくれましたし、出番はいらなそうだったので良かったです」。激動の1日監督体験だったが、勝利が苦労を忘れさせてくれた。【田中彩友美】
▽日本ハム浅間(6回に勝ち越しの中前適時打) “チーム横高”の“ビッグボス”に勝利をプレゼントしたいという気持ちだったので、気合を入れた。マンチュウ(万波)はすごいホームラン。共通して、先輩を勝たせたい思いがあったのでは。
▽日本ハム万波(オープン戦単独トップの5号ソロで“近藤監督”を援護) 「こういうとき(3打席無安打)の4打席目が大事」だと言われて、いい結果になったのは本当によかった。