ドラフト候補の明星大159キロ右腕谷井一郎が初白星 MLB3選手ハイブリッド投法で球速アップ

明星大対大東大 明星大・谷井一郎投手は、足を高く上げる特徴的なフォームから最速159キロを投じる(撮影・阿部泰斉)

<首都大学野球2部:明星大7-4大東大>◇第2週第2日◇17日◇千葉・浦安市運動公園

ロッテの最速164キロ右腕・佐々木朗希投手(20)が、千葉市のZOZOマリンで2戦連続の快投を見せていた頃-。浦安では、最速159キロ右腕の今秋ドラフト候補が力投していた。

明星大が大東大を下し、開幕3連勝を飾った。谷井一郎投手(4年=武蔵村山)が4回を1安打1失点。初先発初白星を挙げた。4四死球を与え「全然調子が良くなかったです」と反省したが、この日最速151キロの直球に110キロ台のカーブを織り交ぜ、40キロ差もの緩急で相手打線を打ち取った。

身長181センチ、体重84キロ。がっちりした体の持ち主は、昨年11月の練習で159キロを計測。実戦では3月にたたき出した156キロが最速だ。剛速球を生む理由には、独自研究でつかんだ特徴的なフォームがある。

MLBの選手を参考にした。走者なしの際は「足を目いっぱい高く上げる」は、ノーラン・ライアンから。「足を上げて軸足を二塁方向にねじる」は、ブルワーズのジョシュ・ヘイダーから。「体を倒す」は、レイズのタイラー・グラスノーから。

高3の時にスターたちをハイブリッドした投法を始め、球速が向上した。「都立校だったのでスピードガンがありませんでした。高3の5月に初めて測って143キロ。引退してから147キロでした」。大学入学後には体作りを徹底。球速12キロアップにつながった。

進路希望はプロ一本。「育成でもプロに行きたいです」と真っすぐな目で話した。球威あるスピードボールを武器に、大舞台を目指す。

◆谷井一郎(たにい・いちろう)。2001年(平13)2月5日生まれ、東京都出身。福生シニアから武蔵村山に入学。50メートル走6秒8、遠投120メートル。目標とする野球選手はヤンキースの左腕チャップマン。好きな有名人はヒップホップトリオ「ミーゴス」のオフセット。右投げ左打ち。