<今岡スペシャル>
4月からのシーズン中の週替わりの特別企画、第3週は「今岡スペシャル」です。阪神レジェンドV戦士の今岡真訪氏(47=日刊スポーツ評論家)が、独自の視点で球界の話題を語る第1弾は今春のセンバツにスポット。大会時に高校56本塁打をマークしていた花巻東・佐々木麟太郎内野手(2年)の試合を甲子園で生チェックし、圧勝Vを飾った大阪桐蔭の打者との共通項に注目しました。【取材・構成=寺尾博和編集委員、酒井俊作】
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甲子園のスタンドから野球を見るのは久しぶりでした。佐々木麟太郎選手、とても可能性を感じました。市和歌山の米田投手のクイックに差される形になって間合いが合っていない状態でした。真っすぐで空振り三振2つ。でも、試合を通して、打撃のスタイルを変えなかった。
僕はあれでいいと思います。8回は詰まった一ゴロでした。いい意味で、同じような形での凡打になっていました。強振する姿勢を最後まで変えなかった。
麟太郎選手がアッパー気味のスイングで三振した、と僕は思いません。間合いが遅れれば、バットはボールの下をくぐるものです。結果どうこうではなく、型にはまっていない魅力を感じました。いまは、僕の高校時代にはなかったような動画を見たり、いろんなツールがある。選手がそれぞれ研究できますよね。打撃を見て、自分でずっと考えてやる環境があるのだと感じました。
今回、圧倒的な力で優勝した大阪桐蔭の打者にも共通して感じたのは「型にはまっていない」ということでした。それぞれの長所を生かすような指導が行われているのではないかと感じました。本来、打撃技術の正解は100人いたら100通りです。僕も現役のとき、いろいろなことを指導で言われましたが、最後は自分で感じて、見つけ、つかむしかないのだと、実感として持っています。
人それぞれ、打ち方は違います。麟太郎選手は個性に合った打ち方をしているように映りました。脇を締めて、上からたたく、という一般的に教えられている打ち方ではありませんでした。僕たちの時代に比べて、いまの高校野球は、選手個々が考えて取り組める環境があるのではないでしょうか。意外に、プロの方が、型にはめようとする指導が、まだ多いのかもしれません。
○…今岡氏は自身の公式YouTubeチャンネルを開設し、阪神やロッテを中心に野球界について精力的に発信している。特に試合後、余韻が残る中での振り返りライブでは、ファンからのド直球な質問にも積極的に答えるなど、従来の球界チャンネルには見られないスタイルで大好評。
チャンネルは以下の通り。https://www.youtube.com/channel/UCMRn7_dsXprPujbE8tBsoKA
◆センバツの花巻東・佐々木麟VTR 甲子園デビュー戦の3月23日、市和歌山戦は3番一塁で先発し、プロ注目のエース右腕米田天翼投手(3年)に4打数無安打1死球だった。1回無死一、二塁で速球に再三空を切り、しりもちをつく強振。外角140キロ速球に空振り三振だった。3回は先頭で外角高め139キロ速球に2打席連続の空振り三振。5回は内角145キロ速球に詰まった三飛。8回も内角143キロに再び詰まらされて一ゴロ。敗戦後「本当にふがいない」と唇をかんだ。
◆今岡氏と甲子園 PL学園3年時の92年センバツに出場した。1回戦の四日市工(三重)戦で三塁打を放つなど、14-1で大勝。2回戦で仙台育英(宮城)を下したが、準々決勝で東海大相模(神奈川)に完封負けを喫した。今岡氏は「3番二塁」で3試合先発で9打数1安打。中村順司監督が指揮を執り、1学年下に松井稼頭央(現西武ヘッドコーチ)がいた。