【中日】小笠原慎之介6回無失点2勝目「離脱者が多く、こういうときこそチーム一丸で」

ヤクルト対中日 6回無失点で今季2勝目の中日小笠原は笑顔でポーズ(撮影・鈴木みどり)

<ヤクルト0-1中日>◇10日◇神宮

コロナに負けない! 中日小笠原慎之介投手(24)がヤクルト相手に6回4安打無失点で2勝目。チームに新型コロナの感染者が拡大する中、首位チームに2差に詰め寄る力投を見せた。

気迫で危機を乗り切った。1点リードの6回2死一塁。村上に中前打でつながれ、一、三塁。ここで5番オスナ。145キロ直球で追い込み、カーブで空振り三振を奪うと左拳を突き上げた。

「離脱者が多く、こういうときこそチーム一丸で、と思っていました。(1軍で初バッテリーを組んだ石橋も)新鮮でした」。強力救援陣の助けも借りて、完封リレーで勝利を手にすると笑みを浮かべた。

チームに訪れたコロナ危機。9日の木下、石川昂に続き、平田も陽性判定で登録抹消。ルーキー鵜飼もPCR検査の必要が生じてヤクルト戦のベンチ入りメンバーを外れた後、陽性判定が出た。死球による右膝打撲で離脱中の大島に加え、相次ぐ主力の離脱で打線は非常事態に陥っていた。

自身も4月はコロナ感染で完全離脱を余儀なくされた。復帰戦となった3日のDeNA戦で今季初勝利を挙げたばかり。負けられない思いは強かった。

立浪監督は「よく勝ちましたよ」と苦笑いしながら「小笠原はよかったですよ」と復帰後2連勝の左腕を評価。苦しいゲームを1-0で取って安堵(あんど)の笑みが浮かんだ。「こういう状況ですけど、チームの中で競争していければいい」。コロナ禍でも前を見据えて戦う。【安藤宏樹】

○…緊急で再昇格した根尾が「7番右翼」で出場。「ファームでやってきた通り、頑張ります」と臨み、最初の打席で犠打を決めたが、その後は3打席凡退に終わった。遊撃再挑戦を主目的に4月21日に2軍降格。投手デビューも経て、1軍復帰した。コロナ禍による外野手不足で右翼でのフル出場となったが、今後は二刀流も含めて注目だ。

○…打のヒーローはA・マルティネスだ。0-0の4回、先発小川から右翼へ千金の1号ソロ。これが唯一の得点で、チームの窮地を一振りで救った。「ストレートで押してきていたので頭にあった。一発で仕留められてよかった」。相次ぐ主力のコロナ離脱で4月28日以来のスタメン出場。今季初の3安打で存在感を発揮した。

▽中日石橋(今季初のスタメンマスク)「ピッチャーのみなさんに助けてもらいました。まず、自分が落ち着かないといけないところを、(小笠原)慎之介さんに引っ張ってもらいました。(完封リレーで)素直にうれしいです」

▽中日祖父江(2番手で7回を抑え、10試合連続無失点)「しっかりみんなでつないで、チームが勝ったのでよかったです」

▽中日R・マルティネス(9回を締めて9セーブ目)「2本ヒットを打たれてしまったけど、勝ててよかったです」

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