【阪神】大山悠輔「感触も完璧」9号3ラン 北川打撃コーチのどんぴしゃ助言が効いた1発

阪神対西武 3回裏阪神1死一、三塁、左越えに3点本塁打を放つ大山(撮影・和賀正仁)

<日本生命セ・パ交流戦:阪神5-4西武>◇1日◇甲子園

頼りになる先輩だ。阪神大山悠輔内野手(27)は緩いカーブ2球には見向きもせず、獲物を待った。3球目。129キロの直球が低めから少し浮いてきた。完璧なタイミングでボールをぶったたいた。

誰もが確信する大アーチ。3回。佐藤輝の安打で2点目を奪った直後、1死一、三塁で飛び出した9号3ランだった。「甘い球に対してしっかりと自分のスイングをすることができた。感触も完璧でした」。一気に5点差に広げ、絶好調だったサブマリンを沈めた。

どんぴしゃの助言が効いた。試合前、北川打撃コーチが野手陣にアンダースロー対策を伝授した。現役時代、ロッテ渡辺俊介から2打席連続弾を放つなど「好きでしたね」と振り返った元サブマリンキラーだ。(1)目付けは低く(2)浮き上がってくる球をシンプルにぶったたく(3)右打者は引っ張るイメージで-。すべての条件を大山は実行した。

打球が左翼へ上がった瞬間、両手を突き上げたのは西純だった。20歳右腕は興奮しながら4本指を何度も見せてきた。先発した最近の4試合すべてで、大山は本塁打している。偶然とも思えない相性の良さだ。

「必死にやっている結果だと思います。それがたまたま純矢のところで重なっていると思う。どの投手も一生懸命投げてくれている。チャンスだったので純矢のためにもチームのためにも1点でも多くと、思い切っていきました。純矢を援護できてよかった」

今季30打点目。1打点の佐藤輝と並んで、チームトップに立った。この日は6試合ぶりに5番に入ったが、3番、4番などクリーンアップとして仕事を果たしてきた。

阪神が甲子園で5点以上取るのは今季初めて。苦しいペナントレースを物語る数字だ。自力V復活にも一喜一憂はしない。「まだまだ先はある。目の前の1試合を全力でやっていけば、まだチャンスはあると思う」。この程度で満足するわけにいかない。【柏原誠】

▼阪神大山が今季9号を放ち、5年連続2桁本塁打へ王手をかけた。阪神では、福留孝介の5年(15~19年)以来となる。生え抜きでは鳥谷敬の5年(06~10年)以来で、右打者に限ると岡田彰布の12年(80~91年)以来となる。

○…湯浅が15試合連続無失点でリーグ2位の15ホールド目を手にした。8回に登板。1死一、二塁を背負ったが、代打岸を右飛、愛斗をフォークで空振り三振に仕留め、1点リードを守った。球宴のファン投票の中間発表では中継ぎ部門で堂々の1位を獲得。「うれしいです。自信にもなると思いますし、もっともっとチームに貢献していけるように、目の前の試合を頑張っていきたい」。“御礼投球”で勝利に貢献した。

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