【広島】秋山翔吾2戦連発3号3ラン「前に飛んでくれて良かった」初お立ち台に苦笑いも

ヤクルト対広島 1回表広島無死一、三塁、秋山は2試合連続となる先制の3点本塁打を放つ(撮影・丹羽敏通)

<ヤクルト3-15広島>◇23日◇神宮

点火弾だ。広島秋山翔吾外野手(34)が、2試合連発となる3号先制3ランで今季最多22安打で15得点の大勝に導いた。1回の先制弾が打者一巡の猛攻を呼び、さらにその後も二塁打や四球、中前打で2試合連続猛打賞となる3安打4打点3得点。攻撃を活性化させ、苦手ヤクルトに連勝で6月7日以来の貯金1となった。勝率5割以上、Aクラスでのシーズン折り返しを決めた。

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またも秋山が火を付けた。1回無死一、三塁。カウント2-2からヤクルト先発原の甘く入ったカットボールを逃さなかった。鋭く振り抜いた打球は、右翼方向へ角度よく上がり、そのままスタンドに吸い込まれた。鮮やかな先制攻撃に広島打線は勢いづいた。この回さらに3点を奪って原をKOするなど打者一巡。その後も攻撃の手を緩めずに4回まで毎回得点の14得点で試合を決めた。

「1、2番がいい形で回してくれた。打球が上がるところにきたので、前に飛んでくれて良かった。あまり感触はそこまでよかったわけじゃないんですけど。結果として良かった」

さらに2回には左中間への二塁打で攻撃を加速させ、3回は冷静に四球を選んだ。7回にも中前へのクリーンヒットで2戦連続猛打賞。塁上を駆け回り、打線を活性化させた。2試合で計7安打の固め打ちで、打率を2割8分にまで上げた。自身の状態上向きよりも、打線として機能し、貢献できていることに手応えを感じている。そのためか、個人の話題に集中した移籍後初のヒーローインタビューに「もっと伝えたい言葉だったり、思いはあった」と苦笑いで振り返った。

主砲マクブルームや西川を欠く中で今季最多22安打を記録し、15得点を奪った。苦手意識を振り払うような大勝で、今季ヤクルト戦初の連勝。6月7日以来の貯金生活となった。勝率5割以上、Aクラスでのシーズン折り返しも決めた。「この2試合に関して、チームにとって、いいところで打てたというのは良かった。明日も勝たないと(首位とのゲーム差は)1個しか詰まらない。明日また入りからチームとして頑張って行きたい」。秋山効果は打力による得点力アップだけではない。【前原淳】

○…森下が大量援護を背に、6回3失点で8勝目を手にした。4回まで2安打無失点から、5回は3連打から2失点。6回には村上にソロを浴びた。試合後は「本当いつも野手の方に勝たせてもらってます。前回もそうですし、ここ最近ずっと点を取ってもらっている」と野手陣に感謝した。前半戦を自身4連勝で折り返す結果には「後半が本当に大事だと思うので、しっかり準備してやりたい」と1週間後に控える後半戦初登板へ表情を引き締めた。

○…広島菊池涼は適時二塁打を含む4安打の固め打ちだ。1回無死二塁から三塁線へ絶妙なバントを転がして内野安打とし、秋山の先制3ランをお膳立てした。「やれることをやる。(粘って10球目を二塁打にした)野間も先頭でしっかり出てくれたので、セオリー通りに自分のやれることをやった結果がヒットになった。あれで自分の気持ちも楽になったというか。良かったです」。その後も右前打、左中間適時二塁打、左前打と快音を響かせた。

▽広島佐々岡監督(秋山の先制3ランに) 初回にアキがつながりがあった中で、打ってくれてチームに勢いが出た。昨日、今日とホームランの大きさというのを感じている。1発の後もつながりある攻撃で得点をしている。そこは自分たちらしさだと思う。

▽ヤクルト高津監督(2試合で9打数7安打6打点と打たれた広島秋山について) もちろんいいバッターなので。すごく抑えるのは難しいですね。これだけ打たれたわけですから、何か間違いがあり、失敗があるんだと思います。

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