【阪神】佐藤輝明「ヤッター弾」2年連続100安打“粉もん虎メダル”かけた矢野監督も復調期待

阪神対ヤクルト 5回裏阪神無死、佐藤輝は左越え本塁打を放つ。投手は大西(撮影・加藤哉)

<阪神7-3ヤクルト>◇30日◇甲子園

出ました、ヤッター弾! 阪神佐藤輝明内野手(23)が30日のヤクルト戦(甲子園)で今季16号ソロを放った。これが今季の100安打目。中野拓夢内野手(26)に続いての大台到達で、同一球団の2選手が1年目から2年連続100安打超えするのは、阪神では73年ぶり2度目の快挙だ。阪神は5連勝で首位ヤクルトとのゲーム差を「9」とした。ああ、キモティ~。

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この日一番の盛り上がりは4番打者の一振りだった。5点リードの5回、佐藤輝の第3打席。ヤクルト3番手大西の直球を振り抜き、浜風に乗せて左翼席へ。パワーで押し込んだダメ押し16号ソロで4万人越えの観衆が一気に沸いた。

「狙い球を絞ってしっかりと自分のスイングができて、すごくいいホームランだったと思います。才木のために打ちました! ヤッター!」

復帰3度目の登板で2勝目を狙っていた同学年の才木に最高の形で1点をプレゼントした。

ダイヤモンドを1周すると、矢野監督からお好み焼き型の“粉もん虎メダル”をかけられ、ナインとハイタッチ。かっこいい4番打者は、「夏休みこどもまつり」期間中で詰めかけたこどもたちに「ホームランを見せられてよかった」と笑った。

この本塁打で今季100安打に到達した。すでに100安打を超えている中野とともに、同一球団の2人が新人年から2年連続の100安打を記録した。阪神では48年、49年の後藤次男、別当薫以来、73年ぶり2度目の快挙。昨季は126試合で101安打だったが、この日は6回にも中前打を放ち、96試合目で早くも昨季の安打数に並んだ。

後半戦初戦の29日の同戦では、4打数無安打2三振。野手では唯一打つことが出来なかった。それでも修正し、左方向の本塁打を放って見せた。逆方向のアーチは4月9日の広島戦以来。「状態は悪くはないので、いいところで打てるようにやっていきたい」と完全復調に手応えをつかんでいる。

矢野監督も「久しぶりにあっちの方向にいい打球が飛んだんで、何かいいきっかけにして。ランナー置いたところでも、ああいうバッティングをどんどんしてくれたらうれしいです」とうなずいた。

チームは5連勝で、ヤクルトにカード勝ち越し。今季初めて貯金を2とし、首位ヤクルトとのゲーム差も9と1桁にした。「目の前の試合を1試合1試合、全力で戦います」。背番号8が後半戦でも勝利に導く一打を打ちまくる。【三宅ひとみ】

 

○…梅野は4回一挙5得点の中核を担った。1点先制してなおも2死満塁。小沢の直球を押し返し、中前2点打を決めた。「四球の後だったので、来た球をしっかり打ちにいこうと思った」。守っては先発才木と「引かないこと」を共有し、直球を押し続けて今季2勝目をプレゼント。チームは7月、すべて先発投手に白星をつけての14勝目。「僅差を勝っていくかどうかで連勝もかかってくる」と気を引き締め直した。

 

▼佐藤輝が16号ソロ本塁打を含む2安打で今季101安打とし、3桁の大台に乗せた。阪神では中野も114安打。この2人は新人だった昨季も、100安打以上していた。阪神の2選手が新人年から2年連続3桁安打は、1リーグ時代の48~49年後藤次男、別当薫以来73年ぶり2組目。球界全体では、55~56年の阪急(現オリックス)渡辺清、岡本健一郎以来66年ぶり4組目。セ・リーグでは初となった。

▼なお、佐藤輝と中野の2人が来季も阪神に在籍し、100安打以上を記録すれば、プロ野球史上初の「新人年から3年連続3桁安打の同一球団コンビ」となる。過去の3組のうち、3年目も100安打以上したのは、後藤と別当ペアのみ。もっとも別当は3年目の50年には毎日(現ロッテ)に移籍したため、同一球団ではなくなっていた。

▼佐藤輝は101安打でセ・リーグ5位に浮上。(1)近本116(2)中野114安打と合わせ、5傑に3人がランクインした。

▼阪神が首位ヤクルトに連勝し、ゲーム差を9とした。阪神が首位とのゲーム差を1桁としたのは、5月18日の9・5差以来、73日ぶり。

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