東海大延長12回柳元珍の逆転サヨナラ3ランで筑波大に先勝「確信ホームラン。泣きそうでした」

延長12回、タイブレーク、無死一、二塁から逆転のサヨナラ3ラン本塁打を放ち、ホームインする東海大・柳(撮影・保坂淑子)

<首都大学野球:東海大4-3筑波大>◇第4週第1日◇25日◇等々力

東海大が延長12回、タイブレークに柳元珍(リュ・ゲンジン)捕手(1年=八王子学園八王子)の逆転サヨナラ3ランで、筑波大に先勝した。

2点を追う延長12回裏、打席に入った柳は筑波大バッテリーの「(打者が)頭にないボールだぞ」という会話が耳に入った。「自分ならインコース真っすぐだ」と、狙い通りに仕留め右翼芝生席に運んだ。

「行ったな、と思いました」。今季初安打が劇的な本塁打に。チームメートが待ち受ける本塁へ涙を浮かべながら飛び込んだ。「今まで期待に応えられる1本が打てなかったので、何としても、という気持ちが強かった。最高の1本。確信ホームラン。泣きそうでした」と照れくさそうに笑った。 

柳の父は巨人の柳桓湊(リュ・ファンジン)ブルペン捕手。韓国人の両親の元、日本で生まれ育った。中学時代、稲城シニアでプレーし、中2で内野手から捕手に転向。今夏は、リストを強くし、バットを押し込む力をつけるために、3キロの鉄球を使ったトレーニングを日課に取り組んできた。地道な努力が実を結び、「高校時代は練習試合で打った1本だけ」という本塁打を、最高の場面で打った。「父にはいつも『楽しくやれ』と言われてきました」。野球の楽しさを体いっぱいに感じた。

柳は「父の背中を追いかけて、4年後は同じユニホームを着られるように。それが1番の目標です」とキッパリ。プロの世界へ向け、力強く歩き出した。【保坂淑子】