【阪神】頼んだ西純矢!CSかかる最終戦先発へ「矢野監督に恩返しをしたい」10・2ヤクルト戦

力強いキャッチボールを行う西純(撮影・前岡正明)

西純がCS決める! 広島が29日のヤクルト戦(マツダスタジアム)で逆転負けを喫し、阪神の自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が復活した。その自力突破がかかる大事な今季最終戦、10月2日ヤクルト戦(甲子園)の先発マウンドを3年目の西純矢投手(21)に託す。今季6勝と台頭してきた近未来のエース候補は「矢野監督に恩返しをしたい」と、ここまで育ててくれた監督のためにも必ず勝ってCSへ導く。

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秋空の甲子園で西純はキャッチボール相手の才木のグラブへ力強く投げ込んだ。3日後の10月2日ヤクルト戦、チームの運命を左右する大事な最終戦のマウンドを任された。

「矢野監督に指名してもらって阪神に入ることができたので、ちょっとでも恩返しできるように。CSに出られるように頑張りたい」と、いつもの明るい表情で誓った。19年ドラフトではヤクルト、巨人と3球団競合で奥川を指名したが外れ、西純が1位で指名された。指名時に矢野監督は「内面と体の強さを持っている」と期待を寄せた。

1年目は2軍で体をつくり、昨年は5月にプロ初勝利も、2試合で1勝1敗に終わった。「昨年、ファームで後半にすごく状態がよかったが呼ばれず悔しかった。今年は最後の最後まで自分が関わらせてもらってすごく充実している」。3年目の今季は大事な試合を任されるまでに成長した。

5月から先発ローテーション入りし6勝3敗とチームに貯金3をもたらしている。2軍調整後に復帰した8月以降は5試合で3勝1敗、防御率1・32と好調が続いている。今季テークバックを小さくした新フォームで安定感を増した。矢野監督も「ショートアームという感じにして角度がついた」と話している。

前回21日広島戦(甲子園)では第2先発としてプロ初のリリーフで3回2/3無失点と好投。中10日で対戦するヤクルトには今季2戦2勝と好相性。村上も6打数1安打の打率1割6分7厘と抑え込んでいる。西純は「走者をためて山田さん、村上さんに回さないことが大事」と話す。最近は得意の高速フォークが左右に変化するが「自分が意図して投げている」と、研究される中、幅を広げている。

27日からの敵地神宮での連勝はテレビで見ていた。「CSに出るぞという強い気持ちを見ていて感じた」と青柳、伊藤将の粘りの投球から、強い思いを感じ取った。金村投手コーチは「将来のタイガースを背負うような人間が、そういう緊張感、プレッシャーの中で結果を出せるようになっていかないと。最高の舞台になる」と期待する。

この日、ナイターで広島がヤクルトに逆転負けを喫し、阪神の自力CS進出の可能性が復活した。広島、巨人次第では最短10月1日にも決まるが、たとえズレ込んでも最終戦に勝ちさえすれば3位が確定する。西純がCSへの道をこじ開ける。【石橋隆雄】

 

○…阪神才木が10月2日ヤクルト戦でブルペン待機する可能性がでてきた。今季は7月に1軍昇格後、すべて先発で8試合登板し4勝をマークしている。この日は甲子園でブルペン投球などで調整した。「ブルペンに入るかもということで準備している。すごく大事な試合だと思うので、投げることがあればしっかり抑えたい」。前回は23日広島戦(マツダスタジアム)に先発し3回1失点。登板なら中8日となる。

 

▼阪神は最短で10月1日にクライマックスシリーズ進出が確定する。広島が9月30日に△または●なら、その時点で最終勝率で阪神を下回ることが確定。巨人が10月1日●なら、巨人も阪神より下位となることが決まる。

▼阪神は自力でのCS進出も復活。今季最終戦となる10月2日ヤクルト戦に勝てば、巨人、広島の結果に関わらず3位となる。

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