【日本ハム】吉田輝星“大海スライダー”習得で先発ローテ入り目指す「いずれは大事なところで」

鎌ケ谷で日本ハム伊藤(左)からスライダーを教わる吉田(撮影・木下大輔)

“大海スライダー”習得で先発ローテ入りだ! 日本ハム吉田輝星投手(21)が12日、秋季練習を行う千葉・鎌ケ谷の2軍施設で伊藤大海投手(25)に弟子入りした。新球場元年の来季は先発を熱望する右腕は、主に中継ぎとして奮闘した今季の経験を踏まえて投球の幅を広げる必要性を実感。公私で慕うスライダーの名手から極意を学んで、先発仕様への進化を目指す。

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吉田が、おもむろに伊藤へ近づいた。何やら変化球の握り方や投げ方を、身ぶり手ぶりを交えて教えてもらっていた。「スライダーです。(伊藤の)代名詞。投げ方的に、めっちゃ苦手なんです。オフに入ったので習得しようと思って」と、吉田は明かした。

今季、縦に落ちるスライダーは投げていたが、横に滑るスライダーは投げていなかった。「縦スラはストライクからボールに落ちていくボール。先発をやりたいと思っているんだったら、カウントを整えづらい。僕の場合、ストレートを狙われると思うので、ちょっと横の移動があったら簡単に見逃しも取れるかなと」。今オフに苦手な球種の習得を目指すのは、来季は先発ローテ入りという目標があるからだ。

お手本は近くにいた。「この前、キャッチボールしていると、あらためてすごいなと思った」のが、伊藤の宝刀スライダー。「教えてほしい。このスライダーを投げてみたい」と思い、行動に移した。

背番号18が教えを請うと、背番号17は快諾してくれた。打者目線で打ちづらい軌道にするための投げ方や感覚。さらに技術面でも「スライダーを切る感じらしいんですけど、僕は切る感覚がなかなかなくて…。真っすぐを投げながら、切る練習をできたら」と、多くの金言を授かった。

今季は主に中継ぎで51試合に登板して経験を積んだ。首脳陣からは「最初にリリーフへ入った時に、1軍のバッターがどんなもんかを分かったら、先発をやるために何が必要なのか分かってくると思うと言われた」という。直球とフォークを軸に短いイニングを全力で投げてきた経験値から、導き出した進化の道筋の1つがスライダー。「いずれは大事なところで投げられるようになりたい」と、大願成就へ今オフは“大海スライダー”習得に力を注ぐ。【木下大輔】

○…6年目の郡が脱力フォームで、来季飛躍を狙う。フェニックスリーグ広島戦で2試合連続打点を含む3打数2安打1打点、1四球。今季は63試合に出場し、打率1割2分5厘も投手以外の内外野を守るユーティリティーぶりで出場機会を増やした。「ボールの軌道だけ見てミスショットをなくしていきたい。力み過ぎないことですね」と鼻息を荒くした。

○…昨年の育成ドラフト1位福島が、プロ入り最長3回を投げ1安打無失点。最速147キロを計測し5奪三振の好投を見せた。身長190センチ右腕はルーキーイヤーに約8キロ増の体重78キロに増量。球速も6キロアップの150キロに到達した。「真っすぐを磨き、フォークで決められるようになりたい」。木田2軍監督は「あの身長の割に腕の使い方がうまい」と評価した。

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