<パ・CSファイナルステージ:オリックス4-3ソフトバンク>◇第2戦◇13日◇京セラドーム大阪
ラオウで王手や! オリックスが、2年連続日本シリーズ出場にあと1勝とした。試合序盤からソフトバンクに先行を許しながらも食らいつき、2-2の5回1死二塁で昨年のパ・リーグ本塁打王、杉本裕太郎外野手(31)が決勝2ラン。救援陣がリードを守り、優勝アドバンテージの1勝を含む“3連勝”。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで3勝0敗から進出を逃した球団はなく、突破率は100%だ。14日の第3戦で引き分け以上なら、2年連続の頂上決戦進出が決まる。
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振り抜いたバットを立てた。渾身(こんしん)の一振りは「ラオウの昇天弾」として左翼席に消えた。
「感触は完璧でした。コトイチ(今年一番)だと思います!」
1発が欲しい場面で、最高の仕事をして見せた。同点の5回1死二塁、ソフトバンク大関の初球148キロ直球を左翼スタンドへ放り込み、手応えありの確信歩きを披露した。一塁側ベンチで中嶋監督らがガッツポーズを決めると、杉本は堂々の「Vサイン」を決め、ゆっくりと走りだした。
本塁に生還すると青学大時代からの後輩、吉田正に思い切りお尻をたたかれた。決勝点となる勝ち越し2ランで、京セラドーム大阪全体を「昇天ポーズ」で熱狂させた。
「最後、絶対、打って、勝って、気持ち良くシーズンオフを迎えたい!」
大逆転連覇を決めた「10・2」の夜中だった。ラオウ杉本は歓喜のビールかけを終えるとホテルの自室で「左足の着地点」を何度も確認した。
「あの日(9回に)レフトに二塁打を打てた。あの打席の感触、絶対に忘れたくなかった」
調子を崩すときは上体が投手方向に倒れ、左足の着地点が前に出る。その癖を認識しているからこそ、担当記者にも「打撃練習、ちゃんと見といてな!左足、前に行ってたら、すぐに言ってな!」と指摘を求めた。
胴上げを終えた後、フィールド上でバットは振らなかった。「打ちたいと思い過ぎないこと」。京セラドーム大阪での練習では、打球飛距離を見ないように室内打撃練習で閉じこもった。
ここ2戦で7打数5安打の打率7割1分4厘。連日、お立ち台に上がった。「ずっと(室内練習場に)閉じこもっておこうかな」。笑みが戻ってきた。
中嶋監督は「元々そこにいなきゃいけない打者。復調して戻ってきたのは、打線として良いこと」と昨季本塁打王に期待を寄せる。
杉本は「悔しい気持ちは忘れず、謙虚に。もっとコトイチを更新できるように頑張ります!」。夢のアーチを描きまくる。【真柴健】
▼ヤクルトとオリックスが勝ち、アドバンテージの1勝を含め3勝0敗。昨年に続いて両チームが無傷で王手をかけ、今日の試合に○か△で日本シリーズ進出が決まる。シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで40チームのうち37チームがシリーズに進出。出場を逃したのは77年ロッテ、10年ソフトバンク、12年中日だけで、突破確率93%。今回のように無傷の王手(81年の○△○含む)は過去20チームがすべてシリーズに出場している。
○…3番手の山崎颯が山本に並ぶ球団日本人最速159キロを計測し、3者凡退に抑えた。7回、先頭・甲斐の4球目、ファウルで計測。「みんながオーと言っていたので、160キロ出たと思いました(笑い)。危ない打球もあったけどよく守ってくれました」と笑顔。2番手宇田川も無死一、二塁から3人を抑え、8回はワゲスパック、9回は阿部が1失点で逃げ切った。中嶋監督は「誰もが苦しい場面。非常によく投げた」とねぎらった。