“勘違い”の継続で、プロでも二刀流に挑む。日本ハムがドラフト1位指名を公表した日体大・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)が18日、日体大健志台キャンパス野球場で合同取材に応じた。テレビ、新聞など28社の報道陣が詰め掛けたドラフトの目玉は、二刀流継続への意気込みを示した。
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二刀流=大谷翔平。そのイメージから、矢沢は“第2の大谷”と呼ばれることもある。しかし「僕とは全然レベルが違う。プレースタイルも違う。1人の野球ファンとして、見ていて楽しいなと思います」と冷静に足元を見つめた。目指す方向は決まっている。言葉を選びながら「新しい形の二刀流の在り方を、自分の中で探していければ」とうなずいた。
この日の練習も投打で調整を行った。キャッチボールではツーシームなど変化球の精度を確認。その後はフリー打撃で鋭い当たりを連発した。「投げた翌日にも振り込んで、投げる前でも打撃練習をして。毎日負担をかけることを大事にやってきました」。試合が週末だけの大学野球とは違い、プロは週6日。その舞台を見据えて汗を流す。
ここまで育て上げてくれた言葉がある。「勘違いの才能を持て」。町田リトル時代のコーチが野球ノートに書いてくれたもの。幼少期からプロ野球選手になることが夢だった。投打両方で練習を続ける姿に「どっちかに絞った方がいいんじゃないの」と言われ続けてきた。「お前なんか無理だよ。体が小さいし」。心ない物言いを受けたこともあった。それでもめげなかった。「ずっと『どっちもやれる』と思っていました。そう勘違いしていたので、今があると思います」。自分を信じ続け、世代トップクラスの二刀流となった。
ドラフトまで残り2日も、緊張ではなくワクワクが勝っている。日本ハム新庄監督の「野手でお金をもうけた方がいい」というコメントもチェックしたが「(スカウトに投打での)可能性は求めてもいいと話をしていただいた。うれしいなと」。“勘違い”を継続し、プロでも二刀流という夢への扉を開く。【阿部泰斉】
○…先にプロ入りした同世代たちは意識する存在だった。矢沢は、日本ハムでは吉田、万波と同世代。「吉田選手は僕らの代の甲子園で一番注目を浴びていて、すごくいい選手。万波くんはシニアで対戦したこともあって、神奈川では飛び抜けていい選手でした。中学の頃から一方的に知っていました」。同い年のプロ野球選手に刺激を受けると同時に負けないことが、この4年間の目標でもあった。