<プロ野球ドラフト会議>◇20日
京大医学部の水口創太投手(4年)が、ソフトバンクから育成7位で指名を受けた。各球団が「選択終了」を告げる中で、半ば諦めかけていた。ドラフト開始から3時間が過ぎ、ようやく名前を聞くと安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「うれしかったです。不安が大きかったですし、指名してほしいという希望もありました。どうするかは、自分でしっかり考えて結論を出したいです」
最初はそう答えたが、かつてソフトバンクでプレーした近田怜王監督(32)から「ソフトバンクは育成の評価が高いので、彼に合っている。まだまだ完成ではなく、今から伸びる選手」と言われ、プロへの思いが募った。
「時間がかかるかもしれないですけど、球界を代表する選手になりたい。入るのであれば、日本球界を引っ張っているチームなので、すごく楽しみです」
京大からは14年ロッテ2位の田中英祐投手(17年末に引退)以来2人目、医学部から初のドラフト指名となった。
身長194センチの大型右腕で、昨秋の関西学生リーグで152キロを記録した。長身から繰り出すボールには角度があり、伸びしろは十分。滋賀・膳所高時代は甲子園出場経験なし。1年の浪人生活を経て、医学部に入学した。野球でも頭角を現したのは3年から。努力家で、究極の文武両道を貫く。
「(プロを)目指してきた。(学業と)生かせるところは生かしたいです」
夢は無限大に広がる。【益子浩一】
◆水口創太(みなくち・そうた)1999年(平11)8月9日、滋賀県大津市生まれ。小学2年から野球を始める。滋賀・晴嵐小から北大路中、膳所高では2年秋からエースで3年夏は県大会ベスト16。目標とする選手はダルビッシュ有。50メートル走は6秒28。右投げ右打ち。194センチ、100キロ。
◆旧帝大から直接プロ入りした主な選手 新治伸治投手は史上初めて東大からのプロ入りし、1964年(昭39)オフに大洋入団。通算88試合に投げ9勝を挙げた。井手峻は66年ドラフト3位で中日入りし、投手で1勝、外野手で1本塁打。17年7位で日本ハム入りした宮台康平投手は、20年オフにヤクルトへ移籍。今季4年ぶりに1軍戦登板を果たした。京大からは14年2位で田中英祐投手がロッテ入りしたが、1軍2試合で未勝利のまま引退。19年には育成1位で名大の松田亘哲投手が中日に指名された。
▽ドラフトの主な異色指名
◆陸上短距離 ロッテが68年、陸上100メートル10秒1の日本記録保持者(当時)で、メキシコ五輪に出場した飯島秀雄(茨城県庁)を外野手として9位で指名。
◆力士 91年ロッテ7位の市場孝之内野手は中学卒業後、佐渡ケ嶽部屋に入門し、琴市場のしこ名で序二段まで上がった。2年で廃業。ロッテ練習生となり入団へこぎ着けた。
◆15歳 04年阪神がドラフト史上最年少となる15歳の辻本賢人投手(米カリフォルニア州マタデーハイスクール)を8巡目で指名。
◆ソフトボール部 日本ハムが11年、早大ソフトボール部の大嶋匠捕手を7位で指名。小学3年から軟式野球を始め、新島学園の中学、高校、早大と10年間はソフトボール一筋だった。
◆教習所教官 15年ロッテ6位の信楽晃史投手(宮崎梅田学園)は、自動車教習所教官。教習車の助手席に座り、教壇に立つこともあった。