【ドラフト】ロッテ3位指名の日本文理・田中晴也、20本塁打の二刀流も「プロでは投手で」

ロッテ3位指名を受けた日本文理・田中(中央)。チームメートに囲まれ、笑顔でガッツポーズ

<プロ野球ドラフト会議>◇20日

プロ野球ドラフト会議が20日、東京都内で行われた。今夏の高校野球新潟大会決勝で投げ合った2人の右腕が指名された。夏の甲子園出場の日本文理・田中晴也投手(3年)はロッテから3位で指名された。同校からは21年の西武育成4位の川村啓真外野手(日本文理-国学院大)に続き2年連続で8人目の指名になる。新潟大会準優勝の帝京長岡・茨木秀俊投手(3年)は阪神の4位。同校初の指名選手になった。

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硬かった田中の表情が緩んだ。校舎7階大講義室。3年生部員とともに背筋を伸ばし、ネット中継を見詰めた。ロッテ3位のコールと同時に、チームメートが歓声を上げる。田中は鈴木崇監督(42)とがっちりと握手をかわした。「この日を夢見て野球をやってきた。うれしい気持ちでいっぱいです」。7限目のホームルームでもクラスメートの話題は指名のことばかり。一日中“ドラフト”の4文字が頭から離れなかった。上位指名に「肩の力が抜けた」と笑みを浮かべた。

最速150キロの直球が武器。186センチ、92キロの恵まれた体格に詰まった将来性に全12球団が注目した。その中から引き当てたロッテには剛腕、佐々木朗希(20)がいる。「目標となる選手。(佐々木のように)スケールの大きな選手になりたい」。

高校通算20本塁打の二刀流だが、「プロでは投手で」と決意している。それを示すように対戦したい打者にオリックス吉田正、ソフトバンク柳田の大砲を挙げた。鈴木監督も「上の世界でやろうという気持ちが強い。本当に期待したい」と激励する。「日の丸を背負って世界で活躍する選手になること」。次なる夢をかなえるための扉が開いた。【斎藤慎一郎】