元近鉄ブライアント氏「村上はすごくパワフルな振りをしているから気をつけて」オリックスV期待

試合前の練習を見つめるブライアント氏(撮影・足立雅史)

近鉄に在籍し、89年には本塁打王とMVPに輝いたラルフ・ブライアント氏(61)が26日、大阪・中之島の日刊スポーツ大阪本社を訪れた。今季は独立リーグの北海道フロンティアリーグ・士別の監督を務め、優勝に導いた。

古巣の近鉄は04年オフにオリックスと合併し消滅。だが「バファローズ」としてその名を残している。89年近鉄はパ・リーグ優勝も、日本シリーズでは巨人に3連勝の後4連敗。「あのときは本当に悔しかった。まさか4連敗するとはね」。その後も日本一になることなく歴史を閉じており「今季のバファローズは投手陣がとてもいいね。ヤクルトの村上はすごくパワフルな振りをしているから、気をつけてほしい」と、日本一への期待を語った。

北海道フロンティアリーグは、今季3球団で発足した。監督として、1人でマネジメントや選手の指導に明け暮れたブライアント氏は「士別はとても静かで、大阪とは勝手が違ったよ。監督としての意思決定は、とてもタフな仕事だったね」と振り返った。

また、近鉄時代のチームメートのロッテ吉井理人新監督(57)就任の知らせを喜び「とてもハッピーな知らせだ。彼は頭がよく、とてもバランスの取れた男だ。成功を祈っているよ」とエールを送った。

ブライアント氏は88年5月に中日入りし、同6月に近鉄へ移籍。3度の本塁打王に輝き、89年10月12日のダブルヘッダーで4打数連続本塁打、90年に東京ドームの天井直撃弾を放つなど数々の伝説を残した。

05年には近鉄と合併したオリックスで打撃コーチも務めた。

◆ブライアントの89年日本シリーズVS巨人 公式戦49本塁打でタイトルとMVPを獲得し、巨人との頂上決戦に臨んだ。チームは初戦から3連勝。ブライアントは第3戦で初回にタイムリー二塁打を放って貢献し、日本一へ王手をかけた。ところがなかなか、肝心の本塁打が出ない。第5戦に斎藤からようやく1号が出たものの、チームは急ブレーキ。○○○の後●●●●という屈辱を味わい、日本一はならなかった。ブライアントは24打数4安打で打率1割6分7厘に終わり、悔しいシリーズになった。