<侍ジャパンシリーズ2022:侍ジャパン5-4日本ハム>◇5日◇東京ドーム
栗山ジャパンの攻撃は、指揮官が目指す形で幕を開けた。初回、先頭の近本が右前打。2番近藤の初球で二盗を決め、敵失で一気に無死三塁をつくる。近藤は左翼へ、きっちり打ち上げ、犠飛で先制した。栗山英樹監督(61)は「1発では難しい。ああいう攻める気持ちを見せてくれたのは、すごく大きかった」と“足攻”をたたえた。
パワーあふれる世界の強豪と、どう戦うか。村上、岡本和ら力自慢を軸に置きつつ「全員動く。全員走る」と宣言。初陣は結果的に3本塁打で打ち勝ったが、スピード重視は理由がある。「世界大会では先に(相手に)行かれたときの怖さがある。みんなが焦らないように。手の打ちようがなくなるのが一番ダメ」。1次ラウンドから1敗が重い。同ラウンド後は一発勝負のトーナメントだ。打てずに窮するのではなく、足による打開策を備えておく。
9番中野は本職の遊撃ではなく、今季1度も就かなかった二塁で用いた。「違うポジションをスタメンからでも行けるなら、スピードのある選手が欲しい」。選手数が限られ、全野手に複数ポジションを求める方針とも合致した。同様に本職の二塁ではなく一塁で用いた牧が、8回に猛チャージからのトリプルプレー。「WBCはいろんなことが起きる。今のうちに経験できることは経験してもらう」と狙いを語った。
白星スタートを切ったが、栗山監督は継投や守備の課題も指摘。目をかっと見開き「勝ち切れたことより、我々は負けちゃいけない。絶対に負けちゃいけない中で、全ての課題を消化していく」と勝利への執念をにじませた。【古川真弥】
○…牧が攻守に奮闘した。3番に入り、初回に上沢から左中間へソロ。守備は二塁ではなく、一塁に就いた。8回に1点差に迫られ、なお無死一、二塁。上川畑の小フライとなったバントの打球に猛チャージし、グラウンドすれすれで捕球。二塁へ送り、一塁にも転送で三重殺となった。「与えられたポジションでやるしかない。ファーストは去年やっていたので、また実戦感覚を戻していきたい」と頼もしかった。