「小泉進次郎×広島秋山翔吾」3年連続“横須賀会談” お互いの子育て論、地元愛語る

対談後、横須賀の港を背に会話する小泉進次郎氏(左)と広島秋山(撮影・河田真司)

小泉進次郎衆議院議員(41)と広島秋山翔吾外野手(34)による3年連続3度目の“横須賀会談”後半戦は、互いの子育て論に発展した。進次郎氏が理想とする生き方は意外な人物。両氏の父親としての一面が明かされる。【取材・構成=前原淳・栗田成芳】

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秋山(以下、秋) 進次郎さんの息子さんは、野球への興味はありますか?

進次郎(以下、進) ボールへの興味はあるね。でも今の一番の興味は、恐竜。恐竜とはしご消防車。秋山君は子供に野球をやらせたい?

秋 僕が付いて教えてあげることができないので、野球選手にさせたいというのはありませんでしたが、今は好きでやっています。

進 僕はむしろ自分が歩んでいない方向に行ってくれたらいいなと思っている。スポーツにしても、仕事にしても。

秋 孝太郎さんは俳優をされていますが、小泉家という家系の中で、ご自身とは違う道にですか?

進 親や周りが口出ししない世界の方がいいだろうなと思う。スポーツにしても、僕がやったことのないものを選べば口出しのしようがないじゃない。親にとっても、本人にとっても、その方がいいだろうなって。誰かに「お子さんにはどんな職業、どんな人になってほしいですか?」と聞かれたら、必ず“さかなクンみたいな人”と答えている。あんなに目がキラキラしていて、楽しそうで、本当に魚が好きなんだと疑いなく分かる人はそういない。息子にはただ、好きなことで生きてほしい。

秋 うちはまず、あいさつだけはしっかりしてくれればと。それだけです。進次郎さんはご自身が経験された海外留学も、本人が望まなければ勧めませんか?

進 それは勧めるかもしれない。海外経験があるかないかで見えるもの、広がるチャンスは変わってくる。

秋 僕もそう思います。広島での生活が落ち着いてから始めた習いごとはソフトボールと英語。せっかくアメリカに行って、彼らなりに2年学んできたので、親のエゴだとしてもやらせたいなと思いました。

進 僕の周りの横須賀市民には結構カープファンがいるんだよ。

秋 それは僕も感じています。僕がライオンズにいて応援してくれていた時は、よくカープファンだってことを黙っていられたなと思う人、いっぱいいます。

-サッカー・ワールドカップ(W杯)で活躍した日本代表伊東純也選手も横須賀出身です。横須賀出身者は地元愛が強い?

進 僕は強いです。世界の舞台で伊東君が全速力で最後まで献身的に走り回った姿は、横須賀人として誇り。秋山君のことも“日本人メジャーリーガー”ではなく“横須賀初のメジャーリーガー”という思いが強い。横須賀からメジャーリーグに行けるという、足跡を残してくれた。本当に大きなことで、僕の誇りです。

秋 昨年、横須賀盛り上げ大使に任命していただきましたが、SNSなどで何かを発信しているわけではない。広島に行っても野球選手である以上、やることは変わらないのかなって思っていますが、逆に知ってもらうチャンスかもしれないと。広島から関東に試合を見に来てくれた人が「ちょっと秋山が育った町どんなところだ」と横須賀に立ち寄ってもらえればうれしいです。

進 広島の呉市は同じ旧軍港市で歴史的つながりが深い。特に政治の世界では、横須賀、呉、舞鶴、佐世保の旧軍港市が一緒に行動するつながりもある。呉市の方に会ったら「横須賀出身です」と伝えてください。

秋 ありがとうございます。行きたい場所、見てみたい場所に加わりました。(おわり)