【WBC】ソフトバンク王貞治会長が栗山ジャパンに太鼓判「豪華なチームの指揮官としては最適」

リモートでのインタビューを終え引きあげる王貞治球団会長(撮影・梅根麻紀)

06年の第1回WBCで監督を務め、日本代表を初代王者に導いたソフトバンク王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(82)が25日、オンラインで取材会を開き、3月の第5回WBCに挑む栗山ジャパンに太鼓判。第2回大会以来の世界一奪回に期待を寄せた。

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王会長は、自身と同じ背番号「89」を背負って世界と戦う栗山監督に「何回もやるわけじゃないんですよね、WBCの監督というのはね。思い切って、チームをフルに活用して、いい成績を出してほしい。栗山監督だったら絶対できると思う」と熱くエールを送った。

今回の代表チームには米大リーグで活躍するダルビッシュや大谷も選出。史上最強の侍ジャパンとも言われる。その点においても「栗山監督じゃなかったら大谷くん、ダルビッシュくんも出たかどうかわからない。彼の功績は大きい。選手たちも試合に打ち込みやすい雰囲気をつくってくれる監督。今回の豪華なチームの指揮官としては最適な人じゃないかと思いますね」と太鼓判を押した。

そのダルビッシュや大谷には、自身が率いた第1回大会メンバーのイチロー氏のような役割を期待した。「イチローくんは選手たちに『アメリカの選手ってあまり大したことないよ』というようなことを言ってくれ、選手たちが自信を持ってグラウンドに立てたと思いますよ」と振り返り「今回も大谷くんやダルビッシュくんから話を聞いて、我々と差はないんだという気持ちで戦えば、日本はいい戦いができると思います」と言葉に力を込めた。

王会長はWBCという大会の価値が、以前よりも高まってきたことを熱弁する。「国際試合で一番いいチームが参加する試合。第1回、第2回よりも、今はどの国も負けるもんかという形で参加するようになった。本当の意味でのプロのチャンピオンを決めるという催しになった」と力説した。だからこそ「第3、4回が勝ててないだけに、またチャンピオンに返り咲いてほしい」。日本の野球人の1人として、強く願いを込めた。【山本大地】

◆06年の第1回WBC 王監督が率いた日本代表は1次リーグで韓国に敗れ、2位通過。2次リーグでは初戦の米国戦で、犠飛で勝ち越し点と思われながら三塁走者の離塁が早いとアウトに変更される「疑惑の判定」もあって敗戦。韓国にも敗れ1勝2敗で敗退目前となったが、最終戦で米国がメキシコに敗れ、失点率の差で準決勝に進出した。準決勝で大会3度目の対戦となった韓国を破り、決勝ではキューバに勝った日本が初代王座に輝いた。

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