【日本ハム】“打者”矢沢宏太が衝撃弾で松井裕樹粉砕「グッドパワー!」ヒルマン元監督も興奮

楽天対日本ハム 5回表日本ハム2死三塁、右越え2点本塁打を放つ矢沢(撮影・黒川智章)

<練習試合:楽天-日本ハム>◇14日◇沖縄・金武

侍の守護神候補を粉砕だ。投打二刀流に挑戦する日本ハムのドラフト1位矢沢宏太投手(22=日体大)が14日、楽天との練習試合(金武)で5回に代打で途中出場し、憧れの楽天松井裕樹投手(27)から、右翼後方の防球ネットに突き刺さる“プロ初本塁打”の2ランを放った。この回、一挙6点で松井裕をKO。試合は降雨のため5回表終了で打ち切りとなったが、コンサルタント契約で16年ぶりに球団に復帰し、ベンチ入りしたトレイ・ヒルマン元監督(60)も「グッドパワー!」と連呼した。

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小さな体に秘めたパワーは、とてつもなく大きかった。“打者矢沢”が、衝撃の1発だ。今キャンプ2度目の楽天との練習試合。雨脚が強まる中、見事な“プロ1号”で球界を代表するストッパーを粉砕した。

6-2で迎えた5回2死三塁、代打で出場すると、カウント3ボール1ストライクからの5球目、楽天松井裕の真ん中に入った直球を強振。打球は右翼後方の防球ネットに突き刺さった。マウンドから引きずり降ろした2ランに「入るとは思わなかった。センター方向意識して体がいい感じに反応して引っ張れた。僕が左投手として一番憧れる投手。投球フォームをまねしていたこともありました」と表情を緩めた。

ベンチで目撃した2人の球団レジェンドも、新人離れした才能に感心しきりだ。打った球は、WBCで使用するMLB公式球。「あのね、メジャーのボールって重いから。あそこまで飛ばすって、完璧じゃないと」と目を丸くしたメジャー経験者の新庄監督は「(3球目のファウルは)ボールの下っつらをたたきすぎて、それを修正して芯で捉えた。うまさがある」。チームを率いて06年日本一、07年リーグ連覇を達成し、今季球団に復帰したヒルマン元監督も「グッドパワー!グッドパワー!」と連呼。おなじみの名言「シンジラレナ~イ」こそ出なかったものの「本当に力強さ、パワーに関しては目を見張るものがあった」と、興奮気味だった。

12日楽天戦(金武)で野手として対外試合でデビューし、これで3打数2安打2打点。何より、この日攻略した相手は、開幕カードで対戦する敵の守護神だ。「本調子ではなかったと思いますし、シーズンになったらもっとすごい球が来ると思うので、そこで打てるように頑張りたい」と矢沢。浮かれることなく、しっかりと足元を見つめるルーキーは、投げても150キロ超の左腕だ。さあ、次は“投手矢沢”。順調にいけば、23日ロッテ戦(名護)で、そのベールを脱ぐ。【中島宙恵】

▼投手登録の矢沢が本塁打。過去30年の公式戦で、登板と本塁打をそれぞれ記録した新人は98年川上憲伸(明大-中日、登板26、本塁打1)99年広池浩司(全日空-広島、登板17、本塁打1)13年大谷翔平(花巻東-日本ハム、登板13、本塁打3)の3人だけだが、矢沢はどうか。

【矢沢宏太・アラカルト】

◆生まれ 2000年(平12)8月2日、東京都町田市

◆球歴 5歳から町田リトルで野球を始め、中学時代は町田シニアに所属。藤嶺藤沢高では1年夏からベンチ入りし、甲子園出場はなし。日体大では投手として最速150キロ超の直球を投げ、打者では4年春の首都大学リーグで打率3割5分をマークした

◆対外試合 12日の楽天との練習試合で対外試合初出場し、初打席初安打初得点初盗塁

◆二刀流調整 キャンプ中は1クールに1回ブルペン入りし、他の日は野手として練習に参加している。13日はブルペン入りし、23日に実戦初登板予定

◆家族 母香さんと姉咲来さん。高校3年時の18年に指名漏れを経験。その2カ月後に父・明夫さんが亡くなった

◆登場曲 同姓の矢沢永吉のヒット曲を使用予定

◆特技 ピアノ

◆サイズ 173センチ、73キロ

◆投打 左投げ左打ち

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