<ヤクルト3-2中日>◇20日◇神宮
竜の新主砲が今季1号を放った。中日石川昂弥内野手(21)が2回にヤクルト先発石川雅規投手(43)から「22歳差アーチ」をバックスクリーンへ運んだ。球史を見ても大ベテランからの若武者の1発は出世への吉兆だ。得点力不足にあえぐチームの中で4番三塁に据えられて5試合目。サヨナラ負けで最下位転落したが、和製大砲の待望の一撃が希望の明かりになる。
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新主砲としての待望の一撃は、神宮球場バックスクリーンで弾んだ。対戦したのは22年連続勝利を目指すヤクルトの大ベテラン左腕石川。2回先頭で対戦した。カウント0-1からの134キロ直球を見逃さなかった。「(直球を)ちょっと抜かれたけど、いい感じで振れました。とりあえず1本出て、うれしいです」。昨年5月8日阪神戦以来、347日ぶりの感触に表情を緩ませた。
昨年は就任1年目の立浪監督から大きな期待をかけられ、三塁のホットコーナーに就いた。打順は下位スタートもプロ初アーチもこの日と同じ神宮で描き、クリーンアップに打順を上げる道中で、5月27日のオリックス戦で左膝を負傷。前十字靱帯(じんたい)再建術を受けて長期離脱した。リハビリを経たプロ4年目、復帰初戦の14日巨人戦で初めて4番を与えられた。そこから5試合続けて座る定位置で、求められる役割を果たした。
21歳9カ月での今季1号アーチ。ヤクルト先発石川は43歳2カ月で、22歳以上離れた打者と投手の対戦で本塁打が出たのは、19年8月3日のヤクルト-中日戦で、19歳6カ月のヤクルト村上が41歳2カ月の中日山井(現中日コーチ)から放って以来だ。最大26歳差の記録を誇る筒香も、25歳差の森も同様に放ってきた大ベテランからの1発は登竜門的な意味合いを持つ。
東邦で平成最後のセンバツを制し、19年ドラフト1位でプロの門をくぐり「3冠王」を目標として公言し続ける。昨季、ヤクルト村上が令和初の3冠王に輝いた。リハビリを続けていた石川昂は「何で打てるのか考えていた。やっぱ軸がぶれない」。3月のWBC優勝に導いた侍ジャパンの中心打者を追いかけている。
立浪監督は入団以来3年間故障に泣いた石川昂にシーズン完走の試練を与える。「中堅方向へ打球が出て、状態は上がっている。日々成長して欲しい」と目を細めた。今季初のサヨナラ負けで、チームは単独最下位に転落。それでも江藤慎一、落合博満ら歴代居並ぶ竜の和製大砲としての第1歩を刻んだ。【伊東大介】