【ソフトバンク】森唯斗V逸の昨季最終戦直後に先発転向直訴「肘が飛んでも」特別な通算24勝目

楽天に勝利し、森(右)をバッグハグする藤本監督(撮影・冨田成美)

<ソフトバンク5-3楽天>◇27日◇ペイペイドーム

ソフトバンク森唯斗投手(31)が、登板465試合目で先発初勝利を挙げた。楽天戦で今季初先発し、6回4安打無失点。降板直後に栗原陵矢外野手(26)の満塁本塁打が飛び出し、特別なプロ通算24勝目を手にした。守護神から先発に転向した鉄腕が新たな1歩。チームは2連勝で2位に浮上し、ペイペイドームでは開幕から7連勝となった。

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森が白球を握りしめた。先発として初めてつかんだウイニングボールをお立ち台で掲げた。「やっぱり違います。先発で勝てたので」。球場には「ユイトー!」と、先発初勝利を待ち望んでいたタカ党の声が飛び交った。万雷の拍手がヒーローをさらに笑顔にした。

かつての守護神がペイペイドームの真っさらなマウンドに向かった。初回先頭。楽天西川を148キロ直球で空振り三振に仕留め、いきなりほえた。0-0の4回は無死二、三塁のピンチで無失点。イニングを終えるごとに何度も拳を握り「やっぱりアドレナリンも違う。たくさんのお客さんの前で投げられたのが一番」と汗をぬぐった。6回4安打無失点。右腕の気迫が、降板直後の栗原の決勝満塁本塁打を誘発した。

親友に吉報を届けた。18年途中。森は元同僚のデニス・サファテ投手から守護神の座を受け継いだ。同年は37セーブで責務を全う。今季は新たに先発挑戦を決意したが、サファテにはあえて連絡しなかった。「サファテも僕のことは情報が回ってきてるはずですよ。言わなくても大丈夫でしょう」。親交が深くライバル関係でもあったからこそ、お互いを熟知している。「サファテからいい影響を受けたので、いい情報を届けたい」。有言実行の投球で恩返しした。

昨季の10月2日、ロッテ戦。シーズン最終戦で優勝を逃した試合終了直後に、ZOZOマリンの監督室に訪れ、藤本監督に先発転向を直訴した。2軍では「肘が飛んでもいい」という覚悟で日々を過ごしたが、その思いは変わらない。「今日も肘が飛んでいいなと。一発勝負なので」。特別なプロ通算24勝目で再スタートした。

チームは2連勝で単独2位に浮上。ペイペイドームでは開幕から無傷の7連勝となった。森は「チームが勝てたことが一番じゃないですか?」と、淡々と言う。登板465試合目。ホークスの誇る鉄腕が、新たな景色を見た。【只松憲】

○…ソフトバンク藤本監督(森について)「当然これからも先発ローテーションに入ってくる。投手コーチと考えて、間隔を空けながら投げさせていきたい」

▼通算127セーブを記録している森がプロ入り初の先発勝利。森の先発は3試合目だが、通算ではこの日が465試合目。先発勝利が遅い例には86年9月8日福間(阪神)の通算332試合目、69年5月8日鈴木(阪神)の通算316試合目があるが、通算400試合以上登板してからは森が初めてになる。