【巨人】田中千晴、天国のばあちゃんにささげるプロ初勝利 記念球は「大勢さんに」

巨人対DeNA プロ初勝利を挙げ笑顔で「1ポーズ」の巨人田中千(撮影・江口和貴)

<巨人5-4DeNA>◇25日◇東京ドーム

歌うたいのルーキーが天国のばあちゃんにプロ初勝利をささげた。巨人ドラフト3位ルーキーの田中千晴投手(22)が2点を追う5回2死から3番手で登板。1回1/3を無安打、無失点の好リリーフで味方打線の逆転を呼び込んだ。高卒3年目の秋広優人内野手(20)が「3番右翼」で松井秀喜以来の20歳以下でのクリーンアップのスタメン出場で2安打1打点の活躍。チームは3カード連続の勝ち越しを飾り、26日からの交流戦前最終カードの阪神3連戦(甲子園)へ勢いをつけた。

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プロ初勝利のお立ち台に立った田中千が予定調和を外した。ボールを誰に渡したいかと問われると、「大勢さんに毎回毎回ホールドの時にもボールをいただいていたので、これをお返ししたいと思います」と守護神の名前を挙げた。家族に渡すのが定番だが、あえて違うのは家族の教えを守る意味があった。周囲への感謝を忘れないことを何度も教えられた。「家族も『あんただけの勝ちじゃないで』と言ってくれると思う。僕が大勢さんにボールを渡すことを逆に喜ぶと思う」。6回は牧を151キロ直球で空振り三振、桑原を150キロ見逃し三振に仕留めるなど流れを呼び込むと、仲間が逆転してくれた。

天国にも届けたい家族がいた。母三知代さんから登板前によく励ましのラインのメッセージが届く。「お婆ちゃんと一緒に見てるからね」。そのスマホの画面を見て、「よし! お婆ちゃんのためにも頑張ろう」と気持ちを奮い立たせる。

桜が咲き誇る4月上旬だった。母方の祖母である「よしばあちゃん」が他界した。83歳。がんだった。よく実家に来てくれて、リンゴ入りのポテトサラダを作ってくれた。「甘くて、めっちゃおいしいですよ」と今も忘れられない思い出の味で、野球のことも応援してくれた。プロ入り時から祖母に球場で活躍する雄姿を見てもらうのが目標だった。それはかなわなかったが、天国に白星を届けた。開幕1軍から1度は2軍に降格して再調整。そこからはい上がった。

母三知代さんは電子オルガンの先生で、父康雄さんもトランペットをたしなむ音楽一家で育った。「スポーツもリズム感が大事」と投球フォームもリズムで覚える。特技は弾き語りで、秦基博の「ひまわりの約束」が十八番の189センチ右腕。「好きな食べ物はイチゴ大福。趣味はギターを弾くことです。これからもよろしくお願いしまーす!」。もっと勝利のハーモニーを奏でていく。【上田悠太】

◆田中千晴(たなか・ちはる)2000年(平12)9月21日、大阪府生まれ。浪速では2年秋からエースも、甲子園出場なし。国学院大では2年秋からリーグ戦登板。3年時は右肘の故障で登板なしも、4年春に復帰して通算12試合2勝2敗、防御率2・43。22年ドラフト3位で巨人入団。4月13日阪神戦で初登板。今季推定年俸1000万円。189センチ、85キロ。右投げ右打ち。巨人原監督(リリーフで好投し、プロ▽初勝利を挙げた田中千に)「落ち着きが出た。課題があった状態でファームに行って、そこを克服しようという中で時間を使ったわけですから、いいスタートを切れたと思います」

▽巨人大城卓(5回2死二塁、DeNA東から7号同点2ラン)「うまくバットに引っかかってくれました」

▽巨人吉川(同点の6回2死二塁、DeNA東から中前への決勝適時打)「得点圏の打席が多くてかえせてなかったので、かえせたことが一番うれしいです。粘り強く戦えていると思うので、明日から頑張ります」

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