【阪神】前川右京プロ初適時打も今季初3連敗「また明日頑張ります」うつむきながら帰りのバスへ

日本ハム対阪神 4回表阪神1死二、三塁、前川は同点となる右前適時打を放つ。投手伊藤(撮影・佐藤翔太)

<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム4-3阪神>◇10日◇エスコンフィールド

20歳には思えない。そんな頼もしさすら漂いつつある。今季初3連敗の中、阪神前川右京外野手(20)がプロ初の適時打をかっ飛ばした。2点ビハインドの4回1死二、三塁。日本ハム伊藤の147キロをフルスイングでしばき、一、二塁間を破った。

「初めての打点だったし、あの場面でなんとか打点を取ることができたので、よかったかなと思います」

右前2点適時打でプロ初打点。一時同点の一打に一塁ベース上で初々しく右手を突き上げ、左手で一塁コーチャーの筒井外野守備走塁コーチとハイタッチした。直前に5番佐藤輝が空振り三振に倒れて回ってきた打席。先輩をカバーするかのように結果を残した。

もともと「追い込まれるまでは反応で打つタイプ」。邪念は必要ない。結果を気にせず、積極的に振っていくべき立場だ。仕掛けたのは3ボール1ストライク。侍ジャパンでWBC世界一に貢献した右腕の内角球を迷いなく振った。「今までなかなかチャンスで何もできていなかったので、なんとかできてよかった」とうなずく。「野球人生で経験がなかった」という1試合3三振を喫した5月31日西武戦(ベルーナドーム)から10日。打席で余裕が生まれている。

これで4試合連続安打。決して満足はしない。できるはずがない。試合後はチームの敗戦を受け止め、うつむきながらバスへ。「また明日頑張ります」。最後はそう振り絞って、前を向いた。【中野椋】

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