U15日本が米国破り初代女王に、予選から5戦全勝 ポニーガールズWS

ガールス・ワールドシリーズに初優勝したU-15日本のメンバー3列目左から武島監督、広澤理事長

<ECCイニビテーション・SSKカップ ポニー・ガールズ・ベースボール・ワールドシリーズ2023>◇4日◇栃木・小山市運動公園野球場◇決勝トーナメント決勝戦ほか

U-15日本が米国を14-2で破り、予選から5戦全勝で優勝し、初代女王に輝いた。

前日の3回戦で対した米国とは接戦だった。一夜明けると、攻守で圧倒した。炎天下の5連戦を耐える体力。前日の走攻守のミスを繰り返さない集中力。全体練習は大会前日に2時間だけという急造チームだが、仲間を思いやるチームワークで世界を制した。

試合後、日本ポニーベースボール協会の広澤克実理事長から優勝フラッグを受け取った。記念写真の最後のカットは、それぞれ手を合わせて指を花びらのように開くポーズを決めた。WBCの侍ジャパンが「ペッパーミル」で心を1つにしたが、ポニーガールズは「花のポーズ」で一致団結していった。

6点リードで迎えた4回裏2死二塁、西村悠奈(市原=2年)が左越え二塁打を放った。二塁ベース上からベンチに向かって「花のポーズ」をした。視線の先には右腕を三角巾でつった多田花(房州=2年)がいた。正捕手の多田は予選リーグ初戦の中国戦で三塁に滑り込んだ際に右肩を脱臼した。以来、ベンチの多田を励まし、一緒に盛り上がろうと、ヒット打った選手は多田の名前にちなみ、塁上で「花のポーズ」を掲げるようになった。

チームがまとまるきっかけにもなった多田の離脱だったが、正捕手不在は痛手だった。武島信幸監督(羽田)は代役にスローイングがいい西村を指名。小学生の時に少しだけ捕手経験があったものの、中学進学後は防具すらつけたことのなかった西村だが、多田や投手陣と相談しながら奮闘した。「怖くはなかったですけど、アメリカの打者はでかすぎて驚きました」とキャッチャーボックスの後方に下がり、リードに頭を使い、ワンバウンドを体で止めた。

チームが勝つほど「花のポーズ」の回数が増えていったことに多田は「うれしかったです。だから自分のできることはやろうと心がけました」と選手の飲み物を用意するなど裏方に徹した。攻撃前の円陣の声出し役を任された。まだ何度も会ったことのない選手たちを盛り上げる言葉を探すのは難しかったが「士気が上がるようにしました」と一生懸命だった。

チームを盛り上げ、まとめるのに頭を悩ませたのは福田美羽主将(羽田=3年)も同じだった。短期間で一気に意気投合したナインは、宿舎などで羽目を外しすぎていると感じることがあった。そこを注意すると雰囲気は息苦しくなる。あんばいが難しくて悩んだが、リラックスタイムは思い切って自らふざけてみた。「メリハリをつければいいんですね。みんな思いやりがあって、まとまってくれました」。主将の苦悩は選手も察知していた。最終回のマウンドは全員一致で福田に託した。胸郭出口症候群による右肩の不調で投手は2年ぶりだった。「去年手術もして不安だったけど、投げられてよかったです」と2者連続三振で締めくくった。

中学生になってまだ半年にもならない1年生が才能を開花させた大会でもあった。決勝戦に先発した野村多貴(房州)は4回1安打1失点5奪三振ながら「あまりいい投球ができなくて悔しかった。まだスピードは出るし、制球も良くなかった」と不満げだった。両腕を鳥が羽ばたくように回すフォームで、スケールの大きさも感じさせる。2番手の伊藤みのり(香取)は前日の米国戦で決勝三塁打を放つなど、投打で光る。1年生は17人のうち5人がベンチ入り。U-13の奮闘と合わせて、「女子硬式野球」の躍進を今大会出場メンバーが支えていく。

炎天下の小山に咲いた「ポニーの花」は、みどころがいっぱいだった。