<阪神2-3DeNA>◇29日◇甲子園
ショッキングな逆転負けにも希望はある。阪神ヨハン・ミエセス外野手(28)が、自身約2週間ぶりとなる快音を響かせた。
坂本の適時打で1点を先制した8回。なおも2死一、二塁の好機で代打で登場。DeNAウェンデルケンの153キロ直球をしばき、三遊間を破って2点目を挙げた。
一振りでチャンスをものにし、「いつも通り、代打として準備はしていたよ」と胸を張った。8月16日広島戦以来の安打は、6月14日オリックス戦以来、2カ月半ぶりの適時安打。来日初の代打タイムリーとなり「確かに代打としてはそうかもしれないけど、打席に立てば関係ない。今日みたいな打席を続けていきたいね」と前を向いた。
岡田監督も潜在能力、野球への姿勢を評価する28歳。あくなき向上心は行動にも表れる。東京ドーム遠征の移動日だった24日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(杉本商事BS)に志願の出場。打撃の感触を確かめるどころか、満塁弾を放ち上昇気流に乗った。
「自分の打席のリズムをしっかりとっておきたかったんだ。どのタイミングで、どのチャンスがあるか分からない。出番がきたら驚くことなく準備した状態でいきたいからね」。2回の守備から退くと、すぐさま着替えてタクシーに乗り込んだ。大阪・舞洲から弾丸で東京へ移動した1日が「準備の鬼」の象徴だ。
岡田監督は「まあ久しぶりやろ、打つのは。やっぱり力でなあ、抑えられとったからなあ、あのピッチャーに」と、剛球が武器のウェンデルケンを突破したことを評価。怪力を誇る背番号55は「代打は難しい。より準備が大事。場面を想定して、相手投手を考えて、自分のスイングをすることを考えて…。精神的にも技術的にも準備が大事になる」と自らに言い聞かせるように「準備」の大切さを強調した。優勝へのマジックが消滅しても、助っ人の心の炎が消えることはない。【中野椋】