<楽天4-5西武>◇31日◇楽天モバイルパーク
月夜に架かる西武中村剛也内野手(40)の放物線に、悔しいはずの楽天ファンが「美しい…」とこぼした。逆転された直後の8回、渡辺翔の初球を捉えた。40歳になって2発目の、今季13号同点ソロ。バックスクリーン左の落下地点を走りながら見つめる。「(入るか)どうかな~と思ってたので」。いつも通り淡々の1発が、再逆転勝利での連敗ストップにつなげた。
40歳になっても何も変わらない。知った歌がアップ中に場内に流れた。「ひびぃけ~、こいのうた」と両手を広げながら、陽気そうに口ずさんだ。試合開始30分前、セカンドアップで同じ巨漢の渡部に近寄った。お互い分かったように胸と胸をドーンと突き合わせ、それでいて渡部をあっさりよろめかせた。プロ通算467号も、そんな立ち合いの強さが凝縮された。
「年齢はしょうがないじゃないですか。誰もが通る道っていうか、自然と増えていくしかないんだし」
誕生日の8月15日を前にそう話していた。39から40への変化に意味を感じない。ただ「技術は今が一番だと思いますけど」と胸を張る。打席での思考もそうだ。6回、フルカウントから際どい球を自信をもって四球にし追加点につなげた。「先発の藤井投手とタイミングが僕自身が全然合わなかったので、あの打席は何とか、何とかつなごうという意識だったので」。
そんな中村に同点弾は狙っていたかと尋ねると「はい」と事もなげに言う。役者が違う。【金子真仁】