西武は4日、知人女性への強制性交の疑いで書類送検され、嫌疑不十分で不起訴処分となった山川穂高内野手(31)を、無期限の公式試合出場停止処分にすると発表した。山川は国内FA権取得まであと17日としているが、今回の処分により今季中の戦列復帰は絶望的となった。3軍での練習参加は今後も継続する。本人、球団側ともに記者会見の予定はないという。
◇ ◇ ◇
本来なら不動の4番打者を任される山川が「総合的に判断してのコンディション調整」として1軍を去った後、1軍は87試合、2軍は75試合の公式戦を消化した。不起訴決定を受け、登録抹消から115日後の球団内での処分。今後は対外的にも、処罰された立場として3軍に籍を置く。
司法判断が出ない限り、所属組織としての処分は下せない。当然な流れといえる。今季の推定年俸は球団内で3番目に高額。WBC出場でさらに知名度は高まり、西武の顔として内外への影響力が大きい。騒動後、山川を起用している看板や掲示物が姿を消した。
ある球団職員は「いろいろなご意見もありますので…」と声を小さくした。球団経営はファンやスポンサーの支えで成り立つ。協賛企業体の顧客層はさまざまだ。球団外の厳しい声も少なくないと伝え聞く。
余波で「西武3軍」の4文字が連日、報道に出る。球団としてはここも苦しいところだろう。
今季から西武は2軍と3軍をきっちりと分けた。2軍枠は28人。ここに入らないと、イースタン・リーグの公式戦にも出られないという内規を設けた。特に育成選手は2軍に上がれなければ、支配下登録のチャンスさえない。
2日、入団テストを視察しながら秋元宏作ファーム・育成ディレクター(55)が話してくれた。
「2軍と3軍という枠組みをきっちり作ることで、競争心や反骨心を育てたいと。特に2軍で成績が伸びない選手は『3軍に行きたくない』と危機感も出てきて、今まで以上に必死に練習するようになったりしています」
西武2軍は4日現在、イースタン・リーグで貯金21で3位。秋元氏は「3軍への危機感が、もしかしたら2軍の成績にもつながっているのかもしれませんね」と話す。はい上がるための2軍定員制。人知れず朝晩汗を流す選手もいる。今は充実期ではなくとも、これから強くなるために“育成の西武”の道筋を描く。1軍でも2軍でもないなら消去法で3軍…にせざるを得ない。しかし3軍は本来、決して懲罰の場であるべきではないのだ。
山川は3カ月間、若手たちに積極的に打撃を教えてきた。レギュラーからの技術継承-。本来はこの上なく喜ばしいはずの事実が、どこか後ろ暗くなる。処分解除の基準はどこか。単年契約ゆえ契約は今年まで。球団はどう判断するか。
そして、実戦から長く遠ざかる山川にすんなり戻れるポジションはあるのか。例えば、まだまだ山川の力の域には及ばずとも、3軍すれすれだった春先からはい上がった渡部健人内野手(24)は、間違いなく4番候補として成長している。【西武担当 金子真仁】