<中日2-8阪神>◇5日◇バンテリンドーム
阪神森下翔太外野手(23)がリードオフマンでも勝利に貢献した。死球による負傷で欠場した近本光司外野手(28)の代役として1番中堅で先発出場。1、4回に先頭打者で安打を放ち、ともに3得点奪取の起点になった。チームは4連勝でアレへのマジックを14とした。苦手としたバンテリンドームで6年ぶりの勝ち越しに王手をかけた。
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代役のリードオフマンが虎党の不安を払拭した。初回、森下がまだ足跡のない打席にゆっくりと入ると、相手先発涌井と対峙(たいじ)した。
「近本さんが不在のことは起きたことなのでしょうがない。それを自分がカバーできるように、1番として先頭で出たいと思っていました」。
カウント1-2から、128キロ変化球を三遊間へはじき返し、いきなりの左前打。その後、2番中野の打席でヒットエンドランのサイン。スタートを切ると、右中間を割る三塁打で一気に生還した。打って走っての活躍で、初回から3点先取に貢献し、「やっぱり先頭が出たら盛り上がると思うし、勢いもつけられる」と納得顔。1日ヤクルト戦から採用して調子を上げていた幸運の「アイブラック」をこの日は封印。それでも勢いは止まらなかった。
今季、1番で打線をけん引する近本が、3日のヤクルト戦(神宮)で右脇腹に死球を受けて打撲の診断。この日はベンチ外となった。前回、近本が死球による右肋骨(ろっこつ)骨折で離脱した際も代役を務めており、7月16日中日戦(甲子園)以来の「1番中堅」となった。「1回そこで『1番センター』も経験したので、気持ちとしては少し楽に自分の中では入りました」。試合前練習から中堅でノックを受けて準備し、経験を生かして役割を果たした。
岡田監督は前日4日には森下の1番起用について「分からんけどな」と話していた中での抜てき。この日は「ミエちゃん、1番できひんやろ。ふふふ」と笑った。「まあ、これも慣れでな。新人やから、1年目やけど試合こなしていくとやっぱりね、打ってることによって自信つけとるしなあ。普通に送り出してるだけやで、1番として」と成長を喜んだ。
3得点を挙げた4回にも先頭打者として中前打を放った。今季16度目のマルチ安打はともに起点の一打だ。「先頭がヒットで出たりすると点につながるのは今日の試合で分かった。明日どうなるか分からないですけど、1番だったらまた先頭打者しっかり出たいと思います」。8得点の大勝で、チームは4連勝。マジックを「14」に減らした。貯金29は最大13ゲーム差を逆転された08年に並んだ。ルーキーが躍動し、猛虎がアレへ疾走する。【波部俊之介】