【阪神】10勝村上頌樹の原点はモルック? 近本光司も驚きのコントロールで日本代表もあるか

22年12月、淡路島の自主トレで「モルック」で盛り上がる阪神村上(手前)と近本(中央)ら(提供写真)

<阪神4-1広島>◇8日◇甲子園

岡田阪神が2位広島との直接対決第1ラウンドを制して9月無傷の6連勝を飾り、優勝マジックを10に減らした。

先発村上頌樹投手(25)が、8回途中1失点の快投で初の10勝目。プロ2年間0勝だった右腕が、シンデレラストーリーを地で行くチームトップの2桁勝利で最有力の新人王にまた前進した。2位に今季最大の9ゲーム差をつけ、9日も勝てば優勝マジックは一気に3減って7になる。最短14日のアレ実現へ、カウントダウンが加速する。

   ◇   ◇   ◇

村上は甲子園のマウンドを楽しんでいた。7回、堂林を併殺打に仕留めると破顔した。「今日は飛ばしすぎてたんで。気合、入りすぎてました」。初回からフルスロットルで低めを突いた。

自身3連勝でチームトップ10勝目。新人や助っ人を除き、通算0勝投手の2桁勝利は、球団では08年の岩田稔以来、15年ぶりだ。今季初先発だった4月巨人戦で「7回完全」投球を決めて始まったシンデレラストーリーが、節目に到達。新人王の大本命どころか、1・76の防御率も1位をキープしてタイトルも視界に入れ、リーグ優勝ならMVPの可能性も出てきた。

神懸かった「村上様」の片りんは、オフから垣間見えていた。

「村上、日本代表いけるんちゃうか!?」

冗談交じりの声が飛んだのは昨年12月末のこと。故郷の兵庫・淡路島で近本、ヤクルト武岡との合同自主トレの合間、フィンランド発のスポーツ「モルック」に熱中した。12本の木のピンを立て、3~4メートル離れた場所から木製のスティックを順番に投げ、倒した本数などで得た得点を50点にする早さを競うものだ。

村上はモルックのセンスにあふれていた。ボウリングのように下手投げで投じると、ことごとく狙った場所へコントロール。仲間から「日本代表」のワードが飛ぶのも、間違いではない精密機械ぶりだった。

「モルック、めっちゃ楽しいっす。楽しむってことは野球にもつながってるんじゃないかな」

2位広島との直接対決初戦で7回1/3を無四球、1失点。本業でも抜群の制球力で制圧した。

3連戦を前に「楽しめ」と送り出した岡田監督は「普通に投げとったなあ(笑い)」と容易に重圧をはねのけた右腕に拍子抜け。「誰も思てないやんか、この時期に村上がこんなピッチングするとは」。今や先発ローテの柱になった男に、最大級の賛辞を送った。

今季5度目の6連勝で貯金は最多の31。2位広島に今季最大9ゲーム差をつけ、優勝マジックを10にした。「減っても2つずつやからな。おーん。まあ、もうちょっと楽しめるやんか(笑い)。ゆっくりと」と指揮官。18年ぶりのアレへ、いよいよカウントダウンが1桁台に突入する。【中野椋】

 

▽阪神坂本(村上について)「調子のいいボール? 全部じゃないですか。どのボールもカウント取れるし、勝負球にもなる。それだけできたら、向こうも絞れない。今日もしっかり投げてくれたと思います」