<近畿学生野球:奈良学園大1-2和歌山大>◇5日◇第5節2回戦◇ほっともっと神戸
和歌山大が3季ぶりの優勝を飾った。3連覇を狙った2位の大阪公立大が勝ち点を落とした。
4勝無敗、防御率0・22の船引駿平投手(4年=星陵)が試合を作り、野手陣もパワーアップ。打率首位の木村匡佑内野手(2年=桐蔭)を軸に、切れ目のない打線に仕上がった。
伝統の手堅い野球に加え、打力アップの必要性を痛感していた。とくに大阪公立大には昨秋、今春と4連敗。リーグで突出した存在だった正中(しょうなか)敦士投手(4年=小野)を打つために、大原弘監督(58)は大号令をかけた。
週に3回、朝6時30分からの朝練で2時間半の打ち込み。中には自主的に5時過ぎから来て、振り込む選手もいた。国立大生が時間を削り出して、猛練習に励んできた。
9月下旬の直接対決。初戦は正中に抑えられたが、2戦目にサヨナラ勝ちで1勝1敗。運命の3戦目は再び正中の先発が予想されていた。「正中くんを倒すには、もう明日しかないよ」。監督は選手に声をかけた。激闘を終え、昼過ぎに和歌山市のグラウンドに戻ってから夜8時まで一心不乱にバットを振った。
3回戦。1-3と追う展開になったが5回、右腕に6安打を浴びせて3得点。5-4で打ち勝った。ライバルの自力優勝を消滅させ、3季ぶりのリーグ優勝を大きくたぐり寄せた。木村は「春にあんな負け方をして悔しかった。正中さんの存在があったから、今があると言っても過言ではないです」と振り返った。
6月にあった関西オールスター5リーグ対抗戦で大阪公立大との“呉越同舟”を経験した同監督が言う。
「公立大の選手は大人だった。彼らのように野球だけでなく、人間的にも成長しないといけないと思いました。和歌山大はこれまで、どちらかと言うと試合巧者のようなチームだったが、今回は打撃中心にやってきた。選手が一生懸命にやった結果です。正中くんに黒星を付けられたのはうれしかったですね。公立大さんがいたから強くなれました」。誰もがライバルに敬意を払った。
次の目標は、初の明治神宮大会出場。関西5リーグで2つの枠をかけて、11月の代表決定戦に臨む。トーナメント初戦で関西6大学の王者を待つ。