【巨人】阿部新監督「喜びをセプテンバーに」滑っても「アレでなくアベで」原監督譲り話術も継承

監督交代会見に臨み、写真に納まる、左から巨人山口オーナー、阿部新監督、原監督(撮影・江口和貴)

アレじゃなくて…“アベ”で盛り上がりたい。巨人阿部慎之助新監督(44)が6日、都内の読売新聞ビルの「よみうり大手町小ホール」で原辰徳監督(65)とそろって監督交代会見に臨んだ。2年連続Bクラスの屈辱を胸に「強い巨人軍」「愛される巨人軍」の再構築を約束。百戦錬磨の大監督から背番号83を引き継いだ。山口寿一オーナー(66)は新監督と3年契約を結ぶことを明かした。

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阿部新監督のこわばった表情が一瞬だけ緩んだ。2年連続のBクラス、優勝から3年連続で遠ざかっている現状を謝罪した直後だった。「巨人には最高のファンがついている。その最高のファンの皆さんとともに、喜びをセプテンバーに味わえればうれしいです」と現役時代から愛用する“最高”のフレーズと登場曲を絡めて所信表明した。

ちょっと滑ったか…と察すると、すかさず二の矢を放ち「本年度アレで盛り上がっています。来年度はアレではなく“アベ”でいきたいと思います」と放った。阪神岡田監督の名ワードにかぶせ、原監督譲りのユーモアとサービス精神を予想外に? 発揮して場の空気を和ませた。

ピンと伸びた背筋が決意の表れだった。質問を受けると、その度に直立して応えた。一言、一言、言葉を慎重に選びながら、重責を受け止めた。現役引退直後の2軍監督時代に試合中のベンチでの姿勢を原監督から「2軍の時に背中を椅子につけて見ていた。俺は1度も背中につけて試合を見たことないよ」と叱咤(しった)された。反省の日々が指導者としての糧になった。「指導者とは永遠に修行だと胸に刻みやってきました」と戒めた。

だから“初仕事”は自分自身に課した。指導よりも先に「選手に勝つ喜び、優勝する喜び、全てを感じてもらいたいと思っている。そのためにまず、自分が変わり、そうすれば選手も僕を見ているはず。そこからがスタートだと僕は思っている」。扇の要から投手、野手7人と正面で向き合ってきた捕手らしいプランを明かした。

強くて、愛される巨人軍の再構築が責務になる。01年のプロ1年目から選手として19年、指導者として4年、1度もユニホームを脱ぐことなく23年間の時を刻んできた。「ファンあってのプロ野球。小さいお子様、野球少年、いろいろなファンの人が憧れのまなざしで見てくれる。勝敗にかかわらず、最後まで試合を見届けていただけるようなチームに私はしたいと思っている」とチームに最大級の愛着を込めた。来季で現役引退から5年-、いよいよ阿部新体制が始まる。【為田聡史】

◆阿部慎之助(あべ・しんのすけ)1979年(昭54)3月20日生まれ、千葉県浦安市出身。安田学園-中大を経て、00年ドラフト1位で巨人入団。01年に新人捕手でチーム23年ぶりに開幕先発出場し、初打席初安打初打点。04年4月に当時の日本記録に並ぶ月間16本塁打。09年日本シリーズMVP。12年は首位打者、打点王、最高出塁率に輝き、MVP、正力松太郎賞。ベストナイン9度、ゴールデングラブ賞4度。19年引退し、翌年から2軍監督。22年から1軍コーチで、今季はヘッド兼バッテリーコーチ。180センチ、97キロ。右投げ左打ち。

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