【ソフトバンク】リチャードがファーム日本一呼び込む一発「カイル・シュワーバーでした」

巨人対ソフトバンク 8回表ソフトバンク虫、リチャードは左越えに本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)

<ファーム日本選手権:ソフトバンク-巨人>◇7日◇ひなたサンマリン宮崎

ウエスタン王者のソフトバンクがイースタン王者の巨人に6-5で逆転勝ち。4年ぶり5度目の日本一を決めた。

2点を追う8回。「三振かホームランでいいや」。覚悟を決めたソフトバンク先頭の3番リチャード内野手(24)が、巨人井上から反撃の確信ソロ。真ん中の低めスライダーを仕留め、高々と舞い上がった打球は左翼席中段へ飛び込んだ。「シーズン中もそうでしたけど、ホームランを打てばチームが勢いづく。割り切れたのが結果につながった」。この一打を口火にこの回3得点。笹川の内野ゴロで同点、渡辺陸の決勝犠飛で勝ち越した。

逆転勝利を呼び込む一打を放った打席をリチャードはさらにこう振り返った。「カイル・シュワーバーでした」。その人物は、フィリーズに所属するカイル・シュワーバー外野手。シュワーバーは打率1割9分7厘ながらも47本塁打を放ち、メジャー史上初「1割台で40本塁打超え」の珍記録でネット上でも注目された左の大砲。メジャーとプロ野球のファームを比較するのはあれだが、リチャードは今季ウエスタン・リーグで打率2割2分5厘も、19本塁打、56打点は打撃2冠に輝いた。「自分はいつも三振とかすると負のらせん階段を下りていくんで。俺はカイル・シュワーバー。三振かホームランの意識で思い切っていった」と振り返った。

ベンチで見届けた小久保裕紀2軍監督(51)は「あの1本から『いける』みたいな雰囲気になりましたもんね。あれが取りえなのでね」と目を細めた。ただ、1軍では出場22試合で0本塁打、1打点で打率1割1分5厘。計5度1軍に昇格したものの、6年目の今季も定着できなかった。右の大砲として、指揮官は期待も込め「真っすぐに空振りしてましたね。相変わらず」と注文も忘れなかった。

5度宙を舞った小久保監督は、優勝インタビューで言った。「ホークスもそうですし、ジャイアンツの若い選手もそうですけど、ここが最終目的地ではない。今日みたいな一発勝負の経験を経て、最終的に1軍の優勝決定戦で活躍できるような選手が、この両軍から出てほしいなと思います」。リチャードもその1人。来季こそ1軍で飛躍したい。【佐藤究】