<東京6大学野球:慶大5-3早大>◇第8週最終日30日◇神宮
“優勝決定戦”となった早慶戦で、慶大が勝利し頂点に立った。21年秋以来4季ぶり40度目の優勝。全5校から勝ち点を挙げる完全優勝は、21年春以来。
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慶大優勝の裏には、学生スタッフの後押しがあった。
チーフコーチを務めた関展里(てんり)学生コーチ(4年=慶応)は試合後、堀井哲也監督(61)と握手をかわした。3年までは外野手としてAチームにいたが「自分の知識を生かして、教える方が楽しいと思った」と周囲の反対を押し切って転身した。
今春のチーム17失策数はワースト。夏に徹底したのは併殺の練習だった。「攻めの守備をしよう」と併殺と投手のフィールディングの練習量を増やした。ノックでタイムを計測し、他大学の俊足の選手も仕留められるように積み重ね。走者一塁の場面は「ゲッツーのチャンス」という意識が浸透した。今秋の失策数は6つまで減り、早慶戦では3試合すべてで併殺があった。指導する側になって1年。「今、めちゃくちゃ楽しいです。やってよかったと思っています」と笑う。
佐々木勇哉チーフアナリスト(4年=立川)は、アナリスト部門がまだなかった4年前に入部した先駆者だ。高校では水泳部だったが、“好き”という気持ちで野球部の門をたたいた。今秋は「5点以上3失点以内」の目標を掲げた。20年以降のデータで、5点以上奪った試合の勝率は7割。4失点以上すると4割まで減る。目標が明確になったことで、ピンチでも「1点オッケー」という声が飛ぶ。選手の心の余裕にもつながった。
早慶戦は、ベンチ裏やスタンドから観戦。「前例のないところからやらせてもらって、監督やコーチも、いい方々に巡り合ったからこそ、やらせてもらえました。回りに支えてもらって形ができた。コミュニケーションは、社会に出ても大切にしようと思います」。
就任して4年目の堀井監督は「アナライザーの募集をしようとしていた時に来てくれた。本当によくやってくれます」と感謝した。
優勝がかかった早慶戦を前に、関学生コーチが選手たちに話した言葉がある。「これは日本一をとるための通過点だ」。目標はリーグ優勝と、さらに日本一。「リーグ優勝にかけてきたんですけど、切羽詰まっても27アウトを取ることは同じ。俯瞰(ふかん)して見てもらう方がいいと思うんです」。
1つめの目標を達成し、次は日本一へ。明治神宮大会(11月15日開幕)でも、スタッフ陣の総力を挙げたサポートが続く。【保坂恭子】