監督、成長した僕の打撃はどうですか!? ソフトバンク川瀬晃内野手(26)が宮崎秋季キャンプ最終クール3日目の16日、小久保打撃投手を打ち込み、来季レギュラー取りを猛アピールした。自ら小久保裕紀監督(52)を“バッピ”に指名する強心臓。指揮官も若鷹の心意気を大歓迎し、マンツーマンで55分間投げ込んだ。今季自己最多の102試合に出場した売り出し中の好打者が、来季は遊撃の名手今宮健太内野手(32)を脅かす。
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川瀬は「いい時間になりました」とすがすがしく第一声を発した。午後2時前の宮崎キャンプ。小久保監督が1人の選手に55分間もぶっ続けで投げる異例の光景が広がった。「うまく言葉を掛け合いながらやれました。キャンプの最後にふさわしいバッティング練習ができたと思います」。打ち上げ前日、来季の監督にレギュラー取りを猛アピールすべく、小久保打撃投手から快音を響かせ続けた。実は前日15日、指揮官に打撃投手をお願いしていた。
「『来年よろしくお願いします』という意気込みで。レギュラーを目指していますし、こういうやる気というのを最後に見せて終わろうかなと思って。気持ちの部分ですね」
小久保監督は「ナメてるでしょ」と笑顔。強心臓でイキの良い若鷹の熱意がうれしそうだった。当然、指揮官は一肌脱いで今クール“3連投”。途中からはチェンジアップやスライダーなどの変化球もミックスした。2軍監督時代の昨春は「俺の真っすぐでこんだけファウル打ってたら」と苦笑いだった。だが、急成長は目を見張るものがあった。「バットの出し方を覚えとるんでしょうね。今日も何球かぐらいしかファウルがなかった。久しぶりに投げて成長しているなと思いました」と目を細めた。
今季は終盤主に2番を任され、三塁や遊撃でのスタメンが増え、9、10月は27試合で打率3割2分7厘の成績を残した。102試合出場は自己最多。9年目の来季へ手応えを得たシーズンだった。「来年はショートを狙っていきたい。2番バッターで出たい」と志す。遊撃には最大のライバル今宮が君臨するが、控えに甘んじるつもりはない。
左打席から巧打を放ち、犠打や進塁打も堅実にこなせる「いぶし銀」の打撃が持ち味だ。小久保監督は「打線の中で、あれだけ自己犠牲を表現するプレーヤーはホークスの1軍であまりいない。そういう点では非常に貴重な存在」と評価。そして大きな期待を寄せた。「ショートの候補のひとりですよ」。この日務めた打撃投手で改めて進化を確信。川瀬のアピールは大成功だった。【只松憲】
◆川瀬晃(かわせ・ひかる)1997年(平9)9月15日、大分市生まれ。大分商から15年ドラフト6位で入団。広島の森下暢仁投手(26)とは高校時代のチームメートで同学年の間柄。オリックスの育成選手、川瀬堅斗投手(21)は実弟。愛称はマンガのキャラクターの「コボちゃん」。今季は102試合に出場し、打率2割3分6厘、0本塁打、15打点。今季年俸は1700万円。176センチ、70キロ。右投げ左打ち。