トヨタ自動車・嘉陽宗一郎投手がベストナイン「やりきった1年」23年度の社会人野球表彰式

投手部門のベストナインを獲得したトヨタ自動車の嘉陽(撮影・保坂淑子)

2023年度の社会人野球表彰式が12日、都内で行われ、トヨタ自動車の嘉陽宗一郎投手(28=亜大)が、ベストナインの投手部門で表彰された。

今年は都市対抗野球で3勝を挙げ優勝に貢献。橋戸賞も受賞。侍ジャパン社会人代表のエースとして第30回BFAアジア野球選手権(台湾・台北)でも活躍。2大会ぶり20度目の優勝を果たし、同大会のベストナインも獲得した。「今年はやりきった1年だったと思います。(両方でとれた)ベストナインは非常にうれしかったです」と笑みがこぼれた。

身長187センチの長身から投げ下ろす最速152キロの力のある真っすぐを武器に、亜大4年時のドラフトではプロ志望届を提出するも指名漏れ。同級生の高橋遥人投手が阪神に2位で指名され歓喜に沸く中で、悔しさをグッと胸に押し込み笑顔で拍手をおくった。

社会人でプロを目指す-と挑んだが、チャンスをつかめず25歳を期にプロの道をあきらめた。しかし、その後も成長を続け、現在はトヨタ自動車のエースに。スカウトからは「本人さえその気になれば、即戦力として欲しい」という声があがる程。それでも嘉陽は「社会人で」と気持ちは揺るがない。「僕自身がまずはプレーや結果で引っ張って、社会人野球を盛り上げていきたい」。プロを諦めてからも、自分を成長させてくれた社会人野球への感謝の気持ちは忘れない。

まだまだ成長を続けている。「技もそうですが、考え方が大人になった。1点を取られてもOK。最小失点で抑えればいい、と考え方が変わったことが、結果につながった」と胸を張る。「まだまだ育てるとは言ってますが、若い投手に負けるつもりはない。今の最速は152キロですが。155キロ、160キロと球速にはこだわっていきたい」と、上を目指している。

あらためて、嘉陽が思う社会人野球の魅力を聞いた。「プロと違って一発勝負のトーナメント。本当に負けられない戦いの中で戦う。選手たちの熱と、応援の熱。都市対抗野球をもっとたくさんの人に知ってもらいたい。僕自身も、そんな社会人野球に魅了されている1人です」と、笑顔でこたえた。

ミスター社会人へ-。来年、チームは都市対抗2連覇がかかっている。「トヨタらしく相手を圧倒する野球をしていきたい」。約6年前、ドラフト指名漏れの悔しさから、嘉陽は野球選手として生きる道を築き上げ、今、充実した日々を送っている。