ソフトバンク小久保裕紀新監督(52)が、新春インタビューで今季に懸ける決意を激白した。現役時代に背負った背番号9の継承者、柳田悠岐外野手(35)に対する期待や若手の育成方針を披露。「我々は常勝チームではない」というチャレンジャー精神で、リーグ3連覇中のオリックスに挑む覚悟を明かした。“王イズム”を受け継ぐミスターホークスが、4年ぶりのリーグ優勝奪回を導く。【取材=只松憲】
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-1軍監督就任から約2カ月が経過した
「選手ともコミュニケーションは取れました。柳田と近藤には要望というか、毎試合スタメン表に名前が書ければいい、と。それがレギュラー。そこが彼らにとっては全てです」
-柳田は去年の数字が物足りないと言っていた
「『物足りん』と言いながらちゃんとした数字だと思います。そのくらいレベルの高い選手。全部(試合に)出たらあのくらいの数字は残ると思いますよ」
-背番号9の継承者
「今回1軍監督になった時にあいつが『背番号9じゃなくていいんですか?』って聞きに来た。『新庄さんとか1をつけてるじゃないですか』って。俺はそういう気持ちはないけど、そんなことを聞いてくるんやな、と思いました。もうあいつの数字です」
(続けて)
「柳田との思い出は食事会を忘れていた日。18時半から飯だったけど柳田は北九州におって、21時ぐらいに駆け付けて来た。もう飯が終わっておじやも終わった後。でも来てすぐに『背番号9をもらいたいんですけど』って言われた。受け渡しを許可した伝説の日。その時はしょうもない成績しか残してなかったから『将来的にお前が俺に背番号9をくださいと言った日がネタになるように、頼むから活躍してくれよ。じゃないとただのアホで終わるで』と言ったら、とんでもないところに行ってしまった。今は講演でも何回かしゃべったのでネタになってる(笑い)。とんでもないところへ行ってしまった」
-DHの使い方は
「今年は柳田がDHで67試合でしょ? あってもそれの半分以下。あとは守る。柳田のDHは30試合ぐらいのイメージかな」
-育てながら勝つ
「ある程度我慢しない限りは育ってこない。でも我慢するに値するかどうか。僕もセカンドでずっと使ってもらえたからレギュラーをとれたけど、出たり出なかったりじゃ絶対にレギュラーはとれていない。ただ、使わせてやろうっていう何かを発信していた。王会長の言葉を借りると『お前とジョー(城島)はグラウンド上でよく目が光ってたんだ』って言われた。そういう選手が出てくれば誰もが認める。使おうかって思わせるものを2月のキャンプとか3月のオープン戦で見せてほしいです」
-どのような振る舞いがそう思わせる
「判断するのは練習。練習の質が高い選手には目がいく。例えば生海がフリー打撃で打撃投手の球なら7割ぐらいスタンドインさせたら目を引くでしょう。まずは技術を上げるところから。今はそこまでの選手がいない。他球団を見ても、30本超えてきそうな選手って練習ではほぼホームラン。その確率が低すぎる。だから変わってたら目を引くんじゃないですか。あとは見た目です。骨格が変わってユニホームがパツパツになっている選手は活躍する。一冬で変わってきた選手」
-3年連続でV逸中
「我々は常勝チームではないというところからスタートしないと。(昨季はオリックスに)10ゲーム以上も開けられた。打倒オリックスでやるしかない。決して王者ではない。そのマインドから入らなければいけないと思います」
-直近2年は勝負どころで負けてきた(※)
「決めたことをちゃんとやること。勝敗は時の運です。だからその運をつかむために普段は何をしていますかっていう。『勝利の女神は細部に宿る』。そっちの方が大事だと思います」
◆小久保裕紀(こくぼ・ひろき)1971年(昭46)10月8日、和歌山県生まれ。星林を経て青学大で92年バルセロナ五輪銅。93年ドラフト2位でダイエー(現ソフトバンク)入団。04年に、異例の無償トレードで巨人移籍。07年FAでソフトバンクに復帰した。12年現役引退。現役時は182センチ、87キロ。右投げ右打ち。13年10月から17年WBCまで侍ジャパン監督。21年ソフトバンク復帰しヘッドコーチ。22年から2軍監督を務め、今季から1軍監督に昇格した。
※…22年は優勝マジック「1」としながらリーグ最終戦で敗れ、オリックスに逆転優勝を許した。23年の交流戦では優勝したDeNAと11勝7敗で並んだが、得失点率差で及ばず。シーズンでは最終2試合で1勝すれば2位確定も1分1敗。最終戦で勝ったロッテに勝率1毛差で及ばず3位で終わった。CSファーストステージ第3戦でも延長10回に3点を勝ち越しながら直後に4失点。逆転サヨナラ負けで敗退が決まった。