巨人戸郷翔征投手(23)が6年目の進化論で、タイトル総なめを誓った。9日、宮崎・延岡市の母校・聖心ウルスラ学園で自主トレを公開。今季の目標を「MVP」「日本一」と設定した。2年連続チームトップの12勝をマークしながら後半戦失速の課題と対峙(たいじ)。難関を乗り越え、同じ宮崎の高校出身だった山本由伸がドジャースへ移籍した今季、球界のエースへと名乗り出る。
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暖かい宮崎の日差しを感じながら、戸郷が勢い衰えず、階段を駆け上がった。グラウンドでの自主トレ後、今山八幡宮に車を走らせた。137段上にある鳥居を見上げ、一気に走り抜けた。息を整えた後、本殿の前で目を閉じて祈願。絵馬には日本一と記し「MVPを狙って。チームとしても日本一にならないといけない。投手としてタイトルを全部取るような勢いじゃないと取れない」と誓った。
シーズン後半戦に失速する課題と向き合った。直近3シーズン、前半戦に比べ後半戦の勝利数は半分にも満たない。21年は8勝と1勝、22年は9勝と3勝、昨季も8勝と4勝という現実に「後半で勝ちゲームを増やしていかないと」と、自ら対峙(たいじ)した。前半戦の勢いを継続できれば、必然的に成績は上がる。そのために、体の「強化」と「回復」の絶妙なバランスを模索する。
昨季8月25日阪神戦、9月1日DeNA戦と2試合連続で5回持たず降板を経験。ただ苦しい中で「体の回復優先より、ウエートを継続した」という取り組みに成果を実感した。その結果、9月8日中日戦以降の4試合はすべて無失点。昨季の経験をベースに「休みの方法などいろんなところを変更しながら、新たなものを生み出せたら」。体重は82キロから4キロ増のマッチョ化を目指しスケールアップを図る。
WBCで共闘した同じ宮崎の高校出身の先輩右腕・山本由伸はメジャーに挑戦する。タイトル総なめした先に、メジャーの夢をこじ開けた。「目標としてはそういうところでプレーするというのは一番。ただ日本でしっかり成績を残さないことには、いい結果が残せない」。まずは進化を加速。球界を無双する。【上田悠太】
○…巨人戸郷が“日韓合同自主トレ”で刺激を得た。元巨人李承■(■は火ヘンに華)(イ・スンヨプ)氏の通訳の紹介で、韓国プロ野球から2人の韓国人投手が参加。フォークの感覚などの助言を送った。キャッチボールを一緒にし「ボールは強いし、速い。日本の選手とはちょっと違った質。勉強になった」と話した。
◆年少MVP 今季6年目の戸郷は24歳シーズン。巨人の選手が24歳以下のシーズンでMVPなら96年松井秀喜(22歳)以来。投手では37年春の沢村栄治(20歳)、39、40年スタルヒン(40年の登録名は須田博=23、24歳)、72年堀内恒夫(24歳)に次いで球団52年ぶり4人目となる。