ネクストブレーク候補と球界内で名高い西武羽田慎之介投手(20)が3日、斜め上を行った。
キャンプインが迫るこの日は、所沢市の室内練習場で調整。ブルペン投球は「150キロくらいかと」。高卒3年目の191センチ左腕はキャンプB班スタートながら「今年はしっかり1軍で活躍します」と誓うなど、期待は大きい。
言動のスケールも大きく、プロ3年目になれば独特な世界観は西武ファンにも“宇宙人キャラ”として周知されている(実際は所沢市出身)。本人に「今日は2月3日、節分ですが」と問いかけると「あっ、そうだ」と小声で目を見開き、両手をたたき合わせる。
そんな羽田にさらに「いま退治したい鬼は何ですか?」と問いかけた。どんな答えが来るのだろう。
「あー」
そう言ってから5秒も悩まず、回答があった。
「可能性の鬼、ですね」
???
「いろんな可能性が出てきちゃうので、それをつぶす感じで」
…これでもまだ分からない。見えない。例えばどういうこと?
「例えば? うーん、あそこの景色きれいだな~と思ったら、あの景色を見に行ってしまう可能性とか出てくるので、それをどんどんつぶしていって。1つの方向性に向かう可能性しかなくなるような状況を作る。頑張れるよう頑張ると」
少しずつ見えてきた。迷わない、みたいな?
「いろいろなものを見ながら、それでもしっかり前を見ているような」
分かってきた。
「好奇心の鬼をつぶす、みたいな」
ようやく分かりかけてきたら“好奇心の鬼”なんて、また突拍子もないフレーズをぶつけてくる。これが羽田慎之介。今季きっと実現するであろう記念すべきプロ1勝目のヒーローインタビューは、録画必須とみる。【金子真仁】