【DeNA】度会隆輝、頭部死球なんの!セ初の新人開幕2戦連発「最高でぇす!」4安打&初盗塁も

DeNA対広島 「最高でーす!」お立ち台でポーズを決めるDeNA度会(撮影・たえ見朱実)

<DeNA6-1広島>◇30日◇横浜

DeNAドラフト1位の度会隆輝外野手(21)が金字塔を打ち立てた。4点リードの4回無死一塁、広島大道の147キロ直球を右翼席へ。前夜の開幕戦でのプロ初安打初本塁打に続く2号2ランで、セ・リーグ史上初の新人での開幕から2戦連発アーチをかけた。1回先頭では広島黒原から頭部付近に死球を受けながらもサイクル安打に王手をかける4安打。ゴールデンルーキーの異次元の活躍で、チームを00年以来24年ぶりの本拠地での開幕2連勝に導いた。

度会は逃げない。バッターボックスでホームベーススレスレに構える。4回無死一塁、広島大道の147キロ直球をすくい上げた。右翼席に運ぶ2号2ラン。右人さし指を天に掲げた。「しっかり真っすぐを意識した中で1発でその真っすぐを打てたのはよかった」。前夜の開幕戦での鮮烈デビューに続き、新人ではセ界初の開幕から2戦連続アーチ。止まる気がしない。

負けん気があふれ出た。1回先頭、広島黒原の3球目146キロ直球が頭部付近を襲った。何とか避けようとするも、フェースガードを直撃し、30秒ほどその場でうずくまった。1度ベンチ裏で治療し、トレーナーのGOサインが出てから再びグラウンドへ。試合が再開した瞬間、スイッチがバチッと切り替わった。「体がボロボロになってまでもやらなきゃダメな立場。休んでる暇はない」と、すかさずプロ初盗塁を決めた。

2回に左前打を放つと、4回に豪快アーチ。死球への恐怖心は「思ったことない。どの球が怖いとか言ってたら打てないと思う」とケロリと言った。広島黒原にも「全力プレーをやってる中なのでしょうがないこと。次回以降にまた戦える機会があったら真剣勝負できればいいと思います」と気遣いを見せた。打席の最前で待ち構え、6回には右翼線二塁打、8回には中前打と全て違う4投手から4安打と固め打ち。サイクル安打まで三塁打を残すのみだった。2試合で打率6割2分5厘、2本塁打、5打点と開幕直後ながら3冠王に君臨する。

切り込み隊長が火を付け、先発全員安打による快勝で2連勝。三浦監督からも「『今日は2本打つ』という話をしていたんですけど、4本ですか? 大したもんです」と称賛された。2日連続のお立ち台では、定番になりつつある言葉で締めた。「あのひと言ですか? 最高でぇす!」。逃げも隠れもしない。強い覚悟でグラウンドを駆け抜けた。【小早川宗一郎】

▼度会が2号を含む4打数4安打。開幕戦から2試合続けて本塁打を放った新人は、55年3月27日、東映とのダブルヘッダーで記録した枝村(大映)81年4月4、5日ロッテ戦の石毛(西武)に次いで3人目となり、セ・リーグの新人では初めて。開幕戦の条件を外し、デビュー戦から2試合連続本塁打の新人は、他に44年4月22、23日金光(朝日)17年10月3、4日細川(DeNA)がおり、枝村と石毛を含め5人目になる。また、新人がチーム2試合目以内に4安打は46年4月28日松井(パシフィック)以来だが、46年パシフィックは開幕が阪神戦で、松井が打った28日は2カード目のグレートリング戦。「開幕カード」で4安打の新人は初めてだ。