阪神大学リーグが6日に開幕!リーグ7連覇狙う天理大は「金丸に投げ勝った男」がけん引

天理大の長野健大投手

阪神大学野球春季リーグが6日にほっともっと神戸で開幕する。

天理大がリーグ記録の7連覇へ挑む。主力投手陣が卒業で抜けたため、メンバーの競争は激化。その中でも投手リーダーを任される長野健大投手(4年=松商学園)が主戦として期待される。昨秋の関西地区大学選手権で関大・金丸夢斗に投げ勝った右腕。大学入学当初は苦労したが、最上級ではチームを引っ張る。

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“金丸に投げ勝った男”がリーグ記録の7連覇へと引っ張る。投手リーダーの長野は「積み上げてきたものや経験させてもらったことを生かして、リーグ戦で勝つことを大事にしたい。負けない野球を徹底したい」と力強く話した。

昨秋の関西地区大学選手権。勝てば神宮出場の関大戦で先発を任された。3年春にリーグ戦デビューし、公式戦は救援登板のみ。「行きのバスの中でスタメン写真が送られてきた。自分の名前があって緊張したし、落ち着かなかった」。誰もが驚くサプライズ先発だった。

相手先発はリーグ戦18連勝中で、今春侍ジャパンに選出された金丸夢斗投手(4年=神港橘)だった。「ずっと見ていた存在。めちゃくちゃ意識した。打者1人1人に必死だった」と世代NO・1左腕との投げ合いで、がむしゃらに腕を振った。5回3失点で降板した金丸をよそに、長野は6回まで投げ7安打1失点と好投して神宮へと導いた。

大学入学直後の4月にトミー・ジョン手術を受けた。「リハビリの期間はめちゃくちゃ苦しかった。野球ができていないのが一番苦しくて野球したい気持ちが強かった」。同期の活躍をバネにコツコツと地道な練習に励んだ。当時コーチとして見守っていた三幣寛志監督(44)も「下積みができたのが良かった。同じくトミー・ジョン手術を受けた先輩から学んで人間力がついた」と成長を感じる。

7連覇なら00年春から03年春に達成した大体大のリーグ記録に並ぶ。「自分が活躍するのも大事だと思うけどチームが優勝するのが一番大事。6連覇を途切れさせないのが大事になる。プレッシャーにはなりますが、優勝が通過点と思えるようなチームになりたい」。入学時から優勝しか経験したことのない世代。もちろん頂点しか見ていない。

◆長野健大(ながの・けんと)2002年(平14)8月31日生まれ、大阪府枚方市出身。田口山小1年から山田池ファイターズで野球を始め、長尾西中では枚方ヤングホークスに所属。松商学園では甲子園出場なし。天理大では3年春からリーグ戦に出場し、同年秋の関西地区大学選手権では関大・金丸夢斗に投げ勝って明治神宮大会出場を決めた。184センチ、88キロ。右投げ右打ち。

【展望】王者の天理大は新監督に就任した三幣(みぬさ)寛志監督(44)の采配に注目。昨年の主力が多く抜けたチームをどう導くか。同じく大体大も松平一彦監督(46)が新たに監督として指揮を執り、奪還を期す。

昨秋2位の関西国際大は快速右腕の時沢健斗投手(3年=神戸弘陵)に期待がかかる。大産大は小出望那(もなく)捕手(3年=大産大付)が松田啄磨(現楽天)の抜けた投手陣を引っ張る。甲南大は武田桜雅投手(2年=大商大堺)と岡本駿投手(2年=城南)が経験豊富。1部残留した大阪電通大も初制覇を狙う。

今春リーグでは2試合制を採用し、1勝1敗でも第3戦は行わない。勝ち点制ではなくなった点がどう影響するか見逃せない。