【阪神】ドラ1下村海翔トミー・ジョン手術決断の背景語る「長く活躍できる選択を」/一問一答

装具を付け囲み取材に応じる下村(撮影・石井愛子)

「右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)」を受け、11日に退院した阪神ドラト1位下村海翔投手(22=青学大)が12日、2軍鳴尾浜で取材に応じた。手術決断の背景、今の率直な思いを明かした。

今春は2軍キャンプスタート。大学時代の疲労回復を優先する方針でスロー調整を進めてきた。ブルペンでの投球練習も1度のみにとどめていた。保存療法も含め「いろんなことに取り組んできた」というが、最終的には「いろんな人に助言をいただいて、最後は自分で決断した」と話し、「この決断を今後、いいものだと言えるように、これから一生懸命取り組んでいきたいです」と前を向いた。

チームには才木、島本、小川、高橋ら同手術の経験者が多くいる。岩崎や岩貞らプロでの経験が豊富な先輩の言葉にも背中を押された。

岩崎は「無理して頑張って1、2年活躍して、その後に結局手術となっちゃうと、そこから期間も空いちゃうし、今は無理する時期じゃないから。5年、10年、長く活躍できる選択をした方がいいよ」とアドバイスしてくれた。才木らからは「やって後悔はない。やるなら早い方がいい」と同手術の経験者だからこそ分かることを教えてくれた。最終的には3月中旬に手術を受けることを決めた。

今後はリハビリ生活に入る。一般的には4カ月程度、ノースローで、まずは肘の可動域を徐々に広げたり、基礎体力を落とさないようにトレーニングに励んでいく。下村の一問一答は以下の通り。

  ◇   ◇   ◇

-発表もあった。心境は

「いろんな人に助言をいただいて、最後は自分で決断したので、この決断を今後、いいものだと言えるように、これから一生懸命取り組んでいきたいです」

-決断にあたって響いた言葉は

「やっぱり先輩方からの、選手の人たちからの声がすごく響いていて。特に才木さんだったり、高橋遥人さんだったり、小川一平さんもそうですけど、同じよな手術をしてる人に話を聞いたりとか、あとは岩崎さんとか、岩貞さんとかにもすごくアドバイスをいただいたので、それを聞いた上で、いろんな人と相談して、自分の中でこうするのがいいんじゃないかなと思いました」

-どんなことを言われたのか

「まず、岩崎さんに言われたのは、無理して頑張って1、2年活躍して、その後に結局、手術ってなっちゃうと、またそこから期間も空いちゃうし、今は無理する時期じゃないから、って言われて。5年、10年、長く活躍できる選択をした方がいいよと言ってもらいました。才木さんとか同じような手術をした人からも、やって後悔はないと言われてましたし、絶対やるなら早い方がいいと言われていたので、そういう言葉もあって、自分もやろうかなと思いました」

-そういう話はいつごろ

「キャンプの時とか、あとは遠征行かれてない時とかに、ピッチャーの人とは一緒に練習することが多かったので、そういう時にお話ししました」

-決断に踏み切るのに悩んだりは

「すぐ決めたってわけじゃなくて、キャンプでもあまり投げられなかったりとか、そのあたりからいろいろな方法を探って、いろんなことに取り組んできたんですけど、ほんとに多くの人に話を聞いて、決断しました」

-手術することに対して不安は

「もちろんリスクはあることは分かっていたんですけど、自分の中でこれしかないっていうか。やっぱり手術する前の状態で無理して頑張っても、このプロ野球の世界で活躍するのは難しいのかなっていう風に感じていたので。やっぱりそこはリスクはあるのは分かっていたんですけど、今後の自分のためにというか、活躍するためには、この選択がいいんじゃないかっていう風に思いました」

-最終的に手術を決断したのはいつ頃

「3月の中旬ぐらいだったと思います」

-手術終わってまずこれからはどういうことをしていきたい

「焦ることはしたくないんですけど、やっぱり1日でも早く復帰したいんで。もうリハビリに、本当に一生懸命取り組むっていうことだけ考えてやっていきたいです」-いろんな方法を模索しながらっていう言葉あって。保存療法なども最後まで悩まれていたと思う。そこの選択肢は。早めに手術した方がいいと

「早めにやった方がいいっていうのは、いろんな人に言われて。だからといって焦ってすぐ決断っていうわけではなくて、本当にいろんな選択肢はあったんですけど、それこそ入団してからノースロー調整とか、いろんな調整をしてきても、やっぱり状態が上がらなかったっていうのが自分の中では決め手というか。そのままずっと保存でやっても、ちょっと中途半端に終わりそうな気はしたので。それだったら今のうちになんとか、この不安を取り除きたいなっていう風に思ったっていう感じです」

-1月、2月と投げている間にも痛みはあったのか

「ゼロではなかったです」

-来年の夏ぐらいに投げ始めることができたらというイメージか

「まだ先のことは正直見えないので。トレーナーの方と相談しながら、日々できることをやっていこうっていう風に思ってます」

-大学時代のノースローの1年間も必要な時間だったと言っていた。今回も野球人生においてはそうしていきたい

「手術するっていうことを球団の人もサポートしてくれるって言ってくれたので。恩返しじゃないですけど、この期間しっかりやることやるべきことをやって、レベルアップして。いつになるかわかんないですけど、しっかりレベルアップして戻ってこれるように頑張りたいです」

-球団では才木、島本ら今まさに活躍してる人がいるのも自分が将来見据える上で大きかったか

「そうですね。そういう活躍してる人がいるから、思い切って決断できたっていうのもあるので。実際そうやって声をかけてくれたり、心配してくれたりしてくれたので。本当に自分の中では、すごく助かってます」

-今後はどういうことをモチベーションに取り組んでいくか

「もうまだ、試合に投げられてないので、1回も。ほんとに早く投げたい。早く投げたいっていうか、しっかり試合で投げて思いっきりプレーできるように一生懸命頑張ります」