<ソフトバンク3-4楽天>◇1日◇みずほペイペイドーム
「ロマン砲」のお目覚めが敗戦の光だ。ソフトバンクのリチャード内野手(24)が、プロ7年目で初の猛打賞をマークした。
「7番三塁」で今季初スタメン。第1打席で右中間フェンス直撃の二塁打を放つと、第2打席は左前打。0-3の7回には、一時同点の口火を切る左翼線適時二塁打を放ち、何度もほえた。楽天に敗れて連勝は「7」でストップしたが、和製大砲の活躍は明るいニュースだ。
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リチャードは本能のままに感情を爆発させた。「勝手に出ちゃいました」。3回。二塁ベース上、中腰のまま右手の拳を天に突き上げた。その後は目をつむって両手を握りしめ、最後は何度も手をたたいた。「むちゃくちゃうれしかったので。久しぶりにこの雰囲気の中で打った。もう、むちゃくちゃうれしかったので」。24歳が気合を前面に押し出してチームの士気を上げた。今季初安打は大砲らしく長打だ。
左腕藤井のチェンジアップを逆方向に運んだ。打球は右中間フェンスを直撃。「左ピッチャーだったんで、ちょっとだけ向こう側(右中間)を意識して」。第2打席は左前打、3点を追う7回無死一、二塁では左翼線適時二塁打で今季初打点。初スタメンでのプロ7年目で初の猛打賞に「そうですよね。僕もさっき気づいたっす。初めてだなって」と素直に喜んだ。
FAで加入した山川は同郷沖縄の先輩で、自主トレの師匠にあたる。リチャードは4月30日に1軍昇格し、念願ともいえる山川との共闘がかなった。「負けたので…」と前置きしつつ「最高ですね。気持ちが整うというか。確認しながらできるし、打てないで帰って来てる山川さんの代わりに打ってやろうと思える。いい方向にいってる」と“山川効果”を実感している。
ウエスタン・リーグで4年連続本塁打王を獲得中で毎年期待は大きいが、なかなか1軍に定着できなかった。だが2軍監督時代から目をかけてもらっている小久保監督に「恩返しがしたい」と誓って迎えた今シーズン。「2軍でサードから見た感じと全然変わらない小久保さんだった。気持ちも一緒に感じで入れました」とうれしそうに話した。
スタメン起用に応える3安打に小久保監督は「昨日の打席も雰囲気はあったんですけどね、そのまま引き続きいいものを見せてくれましたね」とうなずいた。特に2、3打席目は追い込まれてからの変化球に食らいついて快音。昨季までならバットが空を切る場面が多かったが、確かな成長を見せた。チームの連勝は「7」でストップ。だがそんな敗戦ショックも振り払うほど、和製大砲の猛打賞は希望の光。今季こそお目覚めの予感だ。【只松憲】
◆リチャード(砂川リチャード)1999年(平11)6月18日生まれ、沖縄県出身。沖縄尚学から17年育成ドラフト3位でソフトバンク入団。父オブライエン・ジャンさんは米国人、母あけみさんは日本人。20年に支配下登録。同年から4年連続ウエスタン・リーグ本塁打王。21年9月2日楽天戦で1軍戦初出場。今季推定年俸1000万円。189センチ、118キロ。右投げ右打ち。
▽ソフトバンク王球団会長(連勝が7でストップ)「まあ、遠征で出直そう。ずっと勝ちっぱなしというわけにはいかないからね。リチャードはよく頑張ったよね」