【阪神】近本光司祈り通じた「頼む、落ちろ!」球団史上初9回2死から2戦連続逆転サヨナラ勝ち

阪神対ヤクルト 9回裏阪神2死満塁、近本は右前に適時打を放ちサヨナラ勝ちとなる。投手田口(撮影・加藤哉)

<阪神2-1ヤクルト>◇9日◇甲子園

甲子園の奇跡だ! 阪神が球団史上初となる、9回2死から2試合連続逆転サヨナラ勝ちを決めた。敗色濃厚だった0-1の最終回、満塁から1番近本光司外野手(29)が右前に2点タイムリーを放つと甲子園は狂喜乱舞だ。岡田彰布監督(66)が野口、渡辺、原口、坂本とつぎ込んだ異例の4者連続代打の執念が実り、つないでつないで勝ち切った。この日首位を奪った巨人との1ゲーム差をキープ。劇的勝利の勢いそのままに大混セを勝ち抜く。

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近本は祈った。「頼む、落ちろ!」。思いを込めて走った。飛球が宙に舞ったのは約3秒。右翼前に落ちた。サヨナラだ。それも2試合連続。そして、3試合連続で逆転勝利。お立ち台で「気持ち良いです!」と破顔した。

1点ビハインドの9回2死満塁。土壇場での心境は「うわっ、回ってきた!」。同時に覚悟を決めた。理論派の男は球種を絞らず「アバウト」で打席に入った。「流れだと思っていた。自分その流れに思い切って乗れるかどうか」。田口の130キロスライダーを捉え、プロ3度目のサヨナラ打だ。仲間がつくった勢いが背中を押してくれた。

6月は月間打率1割5分7厘。スタメン落ちもあった。不調の時、大切なのは「結局はメンタル」だという。自分との戦い。その過程で周囲に焦りや葛藤を見せるタイプではない。そこには信念がある。

「態度に出して発散するものでもないと思う。ヘルメットたたきつけるとか、バットたたきつけるとか、それでは何も解決しないって思う。俺がそもそもそれをしてる人じゃないからな」

どんな時も、いつも通り。全体練習前には個別で打ち込む。とことん自分と向き合い、ここまでやってきた。これで2試合連続マルチ安打。浮上のきざしはある。

9回のサヨナラ劇は猛虎の意地がにじみ出た。1死から、岡田監督は異例ともいえる4連続で代打を投入。野口、渡辺、原口、坂本を送り込んだ。野口の四球、原口の左前打。今季初代打起用の坂本は、相手三塁手の失策で満塁をつくり、近本につないでいた。

「あそこで、9回出し惜しんだってしょうがないからな」と指揮官。さらに延長に突入していた場合は「大山ライトの用意させとったよ」と、4番を右翼に就かせる驚きのプランも用意していた。ベンチ入りしている残り野手の用兵も頭に入れ、最大限に戦力を生かすための準備はできていた。結果的に近本の一打で試合は決まり「最後まで諦めずにやった結果」と岡田監督はうなずいた。

2試合連続で9回2死からの逆転サヨナラ勝ちは球団初だ。3連勝で貯金3。2位広島に1ゲーム差、首位巨人に2ゲーム差とピタリとつける。「いい波乗っていると思います」と近本。劇勝から波に乗る。【中野椋】

▼阪神が7日DeNA戦に次いで2試合連続サヨナラ勝ち。阪神の2試合連続サヨナラ勝ちは6月18日日本ハム戦、同21日DeNA戦に次いで今季2度目だが、7日は9回表終了時の4-5→6-5、9日は9回表終了の0-1→2-1で、ともに9回裏に逆転サヨナラ。阪神の2試合連続逆転サヨナラ勝ちは、1リーグ時代の47年7月3日金星戦(9回表1-3→4-3)同4日巨人戦(9回表0-2→3-2)以来、77年ぶり2度目。

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