<マイナビオールスターゲーム2024:全パ6-11全セ>◇第1戦◇23日◇エスコンフィールド
全パの日本ハム山崎福也投手(31)が快打&怪投の二刀流を演じた。本拠地エスコンフィールドで初開催された「マイナビオールスターゲーム2024」の第1戦に“大谷ルール”を活用して「2番投手兼DH」で先発マウンドに立った。初回の第1打席では全セ先発の阪神才木が投じた153キロ速球を華麗にレフト前へ運んだ。だが独壇場はマウンドでも続き、続投した2回はホームラン3発をド派手に浴びるなどメッタ打ちに。1安打&史上ワーストの1イニング10被安打、同9失点と見せ場たっぷり? に主役を張った。
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山崎が“大谷式”出場で日本球宴史を塗り替えた。「2番山崎」とコールされると、地響きのような歓声が沸き起こった。「味わったことないような歓声。すごいなって」。ユニホームは昨季、話題になった新庄監督プロデュースの真っ赤な“戦隊モノ”風。ド派手なスタイルでマウンドに上がると先頭の近本、2番丸を連続空振り三振に切って取り、3番牧を投ゴロと完璧な立ち上がりでスタートした。打撃でも第1打席で才木の外角ストレートを「一番得意な場所」と左前に運び、抜てきした古巣の中嶋監督を喜ばせた。
自身もチームメートも驚きの起用だ。試合前、中嶋監督が「2番DH…山崎…福」と発表すると、山崎自身もやや戸惑いながら「はい!?」と返事。全パの選手から一斉に「お~」と大きなどよめきの声が起こった。山崎は「サプライズな打順を組んでくれたので感謝ですね」と喜び臨んだ、最高のお祭りだった。
打席に立つ前のニコニコした表情が、打撃愛を物語っていた。高校時代からバッティングが得意。日大三時代は準優勝した3年春の10年センバツで、1大会通算安打最多タイとなる13安打をマーク。打撃センスを買っていた新庄監督は5月30日、阪神との交流戦(甲子園)で「6番投手」で先発起用し、山崎が先制の中前打を放った経緯もあった。2回に、3本塁打含む10安打で球宴史上最多9失点したが、やられた方もまたインパクト大で「歴史的記録。良くはないですけど名前は刻めた。誇りに思って暮らしていきます」と振り返った。
試合前は「初のエスコンフィールド開催でオールスターに出られる。いいときにファイターズに入れた」と感慨深げに話した。先発には山崎以外にも水谷、万波、田宮、郡司、マルティネス、上川畑とファン投票で選出されたチームメートが並んだ。それぞれ歴代ユニホームや期間限定ユニホームをまとい出場しただけでなく、近藤、岡も元日本ハム在籍者。ファンにはたまらない“ハム一色”のスタメンで彩られた歴史的な、北国の祭りとなった。【永野高輔】
★球宴での投手の打撃
◆先発2番 古くは8番投手も多数見られたが、8、9番以外の打順で先発は、77年<1>戦で5番で出た太田(近鉄)以来47年ぶり2度目。なお、太田は代打が出されて打席には立たず。
◆投手のヒット 野手で出場して安打した大谷(日本ハム)を除くと、投手の安打は87年<3>戦桑田(巨人)以来37年ぶり。桑田は阿波野(近鉄)から球宴初打席で初安打。
◆投手の本塁打 登板時に本塁打は60年<3>戦巽(国鉄)と71年<1>戦江夏(阪神)の過去2人。江夏は同試合で9者連続奪三振も。
◆代打ヒット 68年<3>戦では金田(巨人)が延長10回に代打でヒット。翌年<1>戦も代打で出場し、弟の留広(東映)との兄弟対決も。金田は球宴通算14打数5安打の打率3割5分7厘。
◆代打サヨナラ 88年<3>戦で、延長12回無死一、三塁で水野(巨人)が代打でサヨナラ犠飛。投手のサヨナラ打は球宴では唯一。
▼山崎が2回に10安打を浴びて9失点。球宴で1試合9失点は、11年<1>戦武田勝(日本ハム)に並ぶワーストタイ。武田勝は4回に1失点、5回に8失点で、イニング9失点は山崎が初めてだ。2桁被安打は08年<2>戦成瀬(ロッテ)11安打、11年<1>戦武田勝10安打に次いで3人目。イニング10安打は00年<2>戦8回の小林雅(ロッテ)の9安打を抜くワースト記録。
◆大谷ルール 公認野球規則5・11(b)にあり、先発投手がDHを兼任できるルールで、通称「大谷ルール」。投手として降板後もDHで打線に残ることができ、また、DHを退いた場合でも投手として出場を続けることができる。22年にMLBで導入され、NPBでは23年から採用。1軍ではまだ適用されていないが、2軍では23年3月19日の日本ハム-ヤクルト戦で初適用。日本ハム上原が「投手兼DH」で先発した。